【ルパパト】ちらしの裏(4)

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「お兄さん、私のこと“Aちゃん”って呼んでもらえますか？」
「？Aちゃん」

うん、似ている。同じじゃないけど、似ている。魁利くんと喋り方が、とてもよく似ている。夫婦とか、親子とか、兄弟は、とてもよく喋り方が似る。もしかして、この三人は。

「詩穂さんは、お友達にファッションが好きな子、いますか？」
「はい！」

詩穂さんは嬉しそうにニコニコと笑う。

「彩さんは、料理の上手な恋人いますか？」
「婚約者なら」

彩さんはとても愛おしそうに笑う。そっか、そっかぁ。

「お兄さん、弟さん居ますよね。飄々としてて、危なっかしい感じの。19歳…いや、20歳になった」
「うん」
「そっかぁ…。そっかぁ」

ぐっと何かが込み上げてくる。『それしか方法がねぇからだよ』『今の俺の全てだ』ルパンレッドの言葉を思い出す。快盗は方法で、彼ら3人は快盗たちの目的だ。

「ノエルさん、この3人は魁利くん、透真くん、初美花ちゃんが助けたかった3人だ」
「Ｅn plein dans le mille！流石Aちゃん！彼は夜野勝利くん。魁利くんのお兄さんだよ！」

にこにこと嬉しそうに笑うノエルさんに私も嬉しくなる。

「そっか、魁利くん達は大切な人を取り戻すために戦ってたんですね」
「うん……ってあれ？もしかして、知らなかったの？」
「知りませんでした」
「知らないまま快盗くん達の手助けをしてたの？」
「だって、頑張ってる人は応援したいじゃないですか」
「oh la la」

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