53-4 ページ12
―――初美花side
結局圭一郎さんは来なかったなぁ。子供たちもいるのであまり遅い時間までは残っていられない。子供たちを返し、保育園の先生たちと少し残ってご飯を食べたり、片づけをしたりしていたが、圭一郎さんから連絡はなかった。服を着替えて帰ろうということになった。Aさんがノエルさんの服を掴んだ。
「あ、の、ノエルさん。夜遅いので、家まで送ってもらえませんか?」
かわいい。少し恥ずかしそうに、顔を赤らめながら、それでも勇気を振り絞って言ったと分かるその仕草に、お願いされていない同性の私でもすっごく可愛いと思った。きゅんとした。ノエルさんを見れば唇に力がこもっている。表情を変えないようにしているようだけど、全身からあふれ出る、嬉しそうな感情は隠しきれていない。
「ウィ、もちろん!」
声にも嬉しそうな色が乗っている。あーいいなぁいいなぁ。この2人見ているときゅんきゅんするー!楽しそうで嬉しそうな2人見てるの楽しいなぁ。私も…と思っていたら、咲也さんと目が合った。たぶん、私と同じことを考えている。
「初美花ちゃん!その、よかったら送ろうか?」
「あー……私、魁利と透真と帰るので…」
そっか、と咲也さんはちょっとだけ残念そうな色をのせて、ニコッと笑った。
「三人とも気をつけて帰ってね!」
「俺らがいるんで大丈夫っすよ」
「それでも。何か起こるかもしれないし!気を付け過ぎて悪いことはないから!」
「まーそっすね」
「じゃあ僕はユキさんとつかさ先輩を送りますね」
「つかささん送ってく必要あんの?」
ちょっと魁利、と魁利の肩をたたく。確かに、つかささんは襲われても倒してそのまま捕まえそうだけど。
「つかさ先輩だって女性だからね!そりゃあ、つかさ先輩なら襲われても捕まえそうだけど、そもそも襲われない方がいいんだから。怖い想いなんてしないほうがいいでしょ」
あ、やっぱり咲也さんいい人だなぁ。
「ウァァ、咲也くんなにそれカッコイイ」
ユキさんがキラキラ目を輝かせていて、褒められた咲也さんがいやぁと照れていて、なんとも言えない感情が湧き上がってくる。べ、別にそんなんじゃないし!
93人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたる(プロフ) - 飛翔薫さん» ありがとうございます!なんとか書ききり、アップしきることができました。今熱が落ち着いてしまいましたが、再燃した時には書きたいと思っています! (2019年11月28日 21時) (レス) id: 3e7009a64a (このIDを非表示/違反報告)
飛翔薫(プロフ) - 完結おめでとうございます!ノエル推しにとってはこのチラシの裏からいっぱいパワーをもらいました!終わってしまうのは寂しいですけど、もっとノエルとの話見たいけど!とりあえず完結おめでとうございます! (2019年11月27日 21時) (レス) id: 2e2f159122 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - シェリーメイさん» ありがとうございます。コメント嬉しくて私も幸せです(*'ω'*) (2019年11月25日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
シェリーメイ - わたるさん» ずっとずっと、この小説のおかげで私は幸せでした!完結おめでとうございます。 (2019年11月25日 18時) (レス) id: e2657486e4 (このIDを非表示/違反報告)
飛翔薫(プロフ) - 更新待ってましたぁぁぁぁぁ!! (2019年6月26日 23時) (レス) id: 9764edc4fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わたる | 作成日時:2019年3月21日 11時