【ルパパト】ちらしの裏(2)

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あれ、と遠くに見えた長身に首をかしげる。見たことあるような…。はて誰だろう。じっと見ていると向こうもこちらに気づいた。パァっと笑みを浮かべてひらひらこっちに手を振ってきた。私も振り返す。にこにこ笑みを浮かべてこちらに走ってくる。大型犬みたいだ。咲也さん、私服だと普通のお兄さんだなぁ。

「Aちゃん、こんにちは！お買い物？」
「こんにちは、咲也さん。お買い物…というか、なんとなく出かけただけですよ。咲也さんは？」
「僕は買い物。シャツが破けちゃって。気に入ってたんだけどなぁ」
「私、シャツ破けた経験ないです。どういう状況だったんですか？」
「訓練してたら、引っかかったまま動いちゃって」
「ああ、なるほど」
「替えの服を持ってきてなかったからビリビリの服で帰ることになって恥ずかしかったよー」
「咲也さんならセーフじゃないですか？」
「え？何がセーフ？」
「ファッションとしてありかと」
「ないない。だってシャツっていうより布って感じだったもん」
「逆にあり」
「なしだね」

そうだ！と咲也さんが手を打つ。

「Aちゃん、買い物なら一緒にどう？女の子にモテる服買いたい〜」
「構いませんけど…私でいいんですか？」
「いいよ。Aちゃんいつも可愛い服でセンスいいから！」
「あー…ありがとうございます。でもそうじゃなくて、初美花ちゃんじゃなくていいのかと」
「初美花ちゃんとデートしたい！でも、忙しいみたいだし」

忙しいのは忙しいだろうけど、理由はそうじゃないと思う。咲也さんは押しが強いけど、いい人だし優しいし、応援したくなるんだよなぁ。

「じゃあ、初美花ちゃんとのデート用の服探しましょうか」
「お願い！」

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