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―――透真side
『もしもし、透真くん？』
「なんですか」
交換してから、一度も連絡する機会のなかった電話番号から電話がかかってきた。電話に出てみれば、わずかに震える声。
『いま時間もらえる？ちょっと話したいことがあるんだけど。時間あるならこの間の公園に来て欲しい』
「こんな時間にですか」
時計を見れば日を跨ごうとする時間だ。時間に正確な彼女がそれに気づいてないわけではないだろう。
『ならいいや』
「いえ。行きますよ。Aさんも気をつけて来てください」
『…ありがと』
公園に着けばすでにAさんはベンチに座っていた。俺に気付くとひらひらと手を振る。街灯の下のAさんは顔色が悪い。最近ずっとこんな感じだ。
「ごめんね、こんな夜遅く。来てくれてありがとう」
「いえ、どうしたんですか？早く寝たいので用件を」
「あー…その。このことは、忘れて欲しいんだけど…。最後の、先輩の言葉。どう思う？」
「………俺は先輩の最後の言葉を聞いていない」
「だから、忘れて欲しいの。ルパンブルー」
Aさんが快盗でない俺をルパンブルーと呼んだのは初めてだ。彼女は俺たちのことを知っているとは思っていたが。こうやって直接言われるとはな。日暮先輩の普段の姿を知っている透真では、日暮先輩の最後の言葉を知らない。ギャングラーの最後の言葉を知っているルパンブルーでは、ギャングラーの普段の姿を知らない。両方を知っているのは、俺とルパンブルーが同一人物である場合のみ。忘れて欲しい、というくらいだから、これからも話すつもりはないということか。
「…嘘、だと思った。あの人は人の泣き顔が好物だったからな」
「………なにそれ知らない」
「あの人が付き合った女性はもれなく泣いていたよ。学内でも酷い女たらしと評判だった」
「まじ？」
「ああ。Aさんが知らないのであれば、抑えていたんだろうが。そういうところは、ギャングラー、だったからじゃないのか」
「まじか…先輩、そういう人だったの」
「Aさんを泣かせたかったんじゃないのか」
「だったら大成功してる」
そうだろうな。今は泣いてないものの、ここ最近Aさんの泣き顔ばかりだ。
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りいか - クッソ好きだ…………！なんだこのドストライクゾーン！！これからも執筆頑張ってくださいっ！ (2021年8月7日 2時) (
レス) id: 6698df4412 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月4日 22時) (レス) id: d1b5e30223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたる | 作成日時：2018年11月4日 22時
