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35-1 ページ43

「朝加。俺、お前のこと、結構好きだったよ。出来れば俺も人間に生まれたかった」

そういってギャングラーは爆発してその姿を消した。
先輩の最後の言葉に、は?と声がもれた。爆発するその姿を見てギシギシと胸が痛む。何を言っているのだ。その言葉、完全に嘘じゃないか。先輩がよく言う嘘の時と同じ喋り方じゃないか。
一歩踏み出そうとして、膝に力が入らなくて膝をつく。そのまま腰を下ろす。ぽん、と肩に手を置かれた。顔をあげれば兄さんが眉を落としていた。

「その…すまない」

何を謝っているのだ。ギャングラーが悪くて、兄さんは国際警察で、国際警察はギャングラーを倒して、うん、間違ったことしてない。間違ったことしてない。正しい。兄さんは、正しい。なのになんで私は兄さんの手を振り払ったんだ。兄さんがひどく傷ついた顔をしている。なぜだ、兄さんは正しい。

「に…兄さんは、正しい。だけど、ごめん。今は触らないで」

ゆっくりと立ち上がる。今度はちゃんと足に力が入る。つかささんが支えようと手を出した。

「触らないでってば!」
「し、しかし」
「Aちゃん、膝怪我してるよ!」

咲也さんも手を出そうとしていた。手が中途半端なところで止まっている。ノエルさんが少し離れた位置に立っている。

「そんなもの後回しでいいです…。先輩の、最後の言葉…」
「あれは、本心だったと思うぞ。ギャングラーとして生まれたために、ああいう道を…」

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りいか - クッソ好きだ…………!なんだこのドストライクゾーン!!これからも執筆頑張ってくださいっ! (2021年8月7日 2時) (レス) id: 6698df4412 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月4日 22時) (レス) id: d1b5e30223 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたる | 作成日時:2018年11月4日 22時

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