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「警察で、ギャングラーの動画見ていて、先輩の喋り方と同じギャングラーがいた。もし、透真くんが出会ったときと違うなら、私と知り合う前に日暮先輩になりすましたのかもしれないと思ったけど透真くんのことを知ってて、違わないなら、そのときからとしか思えなくて、せんぱいはずっと、ギャングラーで」
「ちょ、ちょっと待てA!ギャングラーではない可能性は」
兄さんに肩を掴まれる。痛い。
「日暮先輩がギャングラーだったなら、私が襲われやすい理由もつく。兄さんのこと、知ってるし。ノエルさんとのことも相談したし…。ギャングラーになんでその話が知られているかずっと疑問だった」
「何を突拍子のないことを」
透真くんの言葉に、バンッとテーブルを叩く。
「先輩に聞きます。何よりそれが早い。兄さん達いるから、大丈夫」
携帯を取り出す。電話をかけようとして携帯がその手から落ちた。携帯を拾おうと手を伸ばす。手が、震えている。冷たい。ノエルさんが私の手を取った。
「僕が、康介くんに電話をかけてもいいかな?」
「の、ノエルさん…わ、わたしが」
「お願い、僕に掛けさせて」
ノエルさんの明るい瞳が私を見つめる。頷くことしかできない。ノエルさんが私の携帯を使って先輩に電話をかけるのを横目で見る。会話がうまく頭に入ってこない。先輩が、ギャングラー…?本当に、そうだろうか…。偶然、しゃべり方が一緒…いや、無い。似ている、はあっても同じはない。
「康介くん、近くの公園に来てくれるって」
ノエルさんの言葉に頷く。ジュレから出て、ノエルさんが指定してくれた公園に向かう。兄さんたちは姿を隠し、近くで見ていることにした。ノエルさんと私が、わかりやすいようにベンチに座った。足元が、なんだかフワフワする。
「……この間、Aちゃんたちがジムのメンテナンスに来てくれたことがあったよね」
「…はい」
「その時に僕は二人に機密情報を見せた」
「あの、意図的に情報隠してたやつですよね」
「気づいてた?」
「脈略もない情報が入っていればそれは」
「そうだね。その機密情報がギャングラーに漏れてたんだ」
はーっと息を吐く。息ってどうやってしていたっけ。
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りいか - クッソ好きだ…………!なんだこのドストライクゾーン!!これからも執筆頑張ってくださいっ! (2021年8月7日 2時) (レス) id: 6698df4412 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月4日 22時) (レス) id: d1b5e30223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたる | 作成日時:2018年11月4日 22時