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―――ノエルside
Aさんから緊急通報です!とジムくんの声を聞いて、真っ先に飛び出した。インカムから位置情報を聞く。キーホルダーに仕込んだマイクからの情報によると、Aちゃんだけではないらしい。そして、そういう理由からか応戦しているようだ。危険なことはしてほしくない。急がなければ。
向かった先で見たものは竹刀を構えたAちゃんの姿。竹刀を構え、すっと背筋を伸ばし凜とした姿だった。一瞬、視線を奪われる。Aちゃんの視線がこちらを向いた。
「パトレンエックス!」
Aちゃんの声にギャングラーがこちらを向く。いつも呼んでいる『ノエルさん』ではなく、快盗である『ルパンエックス』でもなく、『パトレンエックス』と呼んだのはギャングラーの視線を僕に向けること、そして、後ろにいる男の子達を安心させるためらしい。男の子達は僕の姿を見て、安堵した表情を見せた。その体をAちゃんが押し、その場から逃げさせる。振り向きもしない。
本当、冷静な子だ。応戦したのはどうかと思うけど、彼らを守りギャングラーを適任者に任せ、ひたすら早く戦場を離脱する。戦っている場にいないだけで、守る対象は減る。意識を取られるのが減るだけで、気持ちはいくらか楽だ。Aちゃんがいつもギャングラーに会った時は逃げの一辺倒なのはそういう理由だろう。今回応戦したのはなんでだろう。ギャングラーを倒したら、聞いてみよう。
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りいか - クッソ好きだ…………!なんだこのドストライクゾーン!!これからも執筆頑張ってくださいっ! (2021年8月7日 2時) (レス) id: 6698df4412 (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まるさん» ご指摘ありがとうございます。 (2018年11月4日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
まる - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年11月4日 22時) (レス) id: d1b5e30223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたる | 作成日時:2018年11月4日 22時