【ルパパト】ちらしの裏(2)

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「…お前の先輩が言っていただろう。また異動しろ。この辺りから離れた方がいい」
「しないよ」
「な、また危ない目にあうかもしれないんだぞ。次は怪我ではすまないかもしれない」
「異動の希望ずっと出しててようやっと通ったのに、こんなことで離れるの嫌」
「お前な…」
「圭一郎くん、気持ちもわかるけど、あまり遠くに離れすぎてしまうとそれはそれで守れなくなってしまうよ」
「それは、そうだが」
「兄さんが、というか周りがなにを言っても、私はここを離れるつもりはまだ無いよ」
「…しかしだな」
「しつこい」

しぶしぶ、と言った感じだが、兄さんも納得してくれた。

「そういえば、Aちゃん。圭一郎くんね、Aちゃんの偽物にいち早く気付いたんだよ。僕は気づけなかったなぁ…本当に悔しい」
「明らかに違うところがあったからな。確認で時間を聞けばその通りだった。聞けばあのルパンコレクションの能力は記憶を読み取るものらしいじゃないか」
「ああ、私が時間が分かるって記憶があっても、時間が分かること自体は記憶じゃないからね」
「それに本人が意識していないことまでは真似できないのだろう」
「えっ、なにそれ。癖かなんかあるの？」

兄さんは私をじっと見たあと、ノエルさんに視線を向けた。ノエルさんが、ん？と首をかしげる。

「…そのうち教えてやる」
「え、今教えてよ。気になる」
「そのうちな」

ノエルさんと顔を見合わせる。なんでしょうね。

(Aがノエルに向ける表情だけ違う。ノエルが気付くようになったら教えてやろう)

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