54話なんて。 ページ10
Aside
放課後の教室
向かい合う男女
そんな時に発せられる『好き』の2文字
...これがどういう事なのかわからないほど、私は鈍くないと思う。
「いつか、俺が笑顔にしてやれたらって思ってる。だから...俺の事、少しは認めて欲しんだ。」
そう話す焦凍君の声はいつになく真剣で、力強くて...それでいて、少し震えていた。
その言葉に耳を傾ける百ちゃんは、真っ直ぐに彼を見つめている。
その光景があまりにも綺麗で
...こういうのを絵になるって言うんだなって
そう、思った。
...これ以上は見ちゃダメだ。こんな場面を覗き見るなんて、悪趣味すぎる。
頭では理解しているのに、まるで思考と身体が切り離されたみたいに足が動かない。
そうこうしている間に、百ちゃんは女の私でも見惚れるほど可愛らしく微笑むと、
「...はい。その言葉が聞きたかったんです。
何よりも、その言葉が...
急にこんな話をしてしまい、申し訳ありません。
...だって、私だって大好きなんですの。
轟さんに負けないくらい。」
そう言って少し恥ずかしそうに頰を赤らめる。
それはまるで、映画のワンシーンを見ているようだった。
...人付き合いがあまり得意ではない私にできた、1番の友達。
そんな彼女が今、嬉しそうに、幸せそうに笑っている。
そんなの、私だって嬉しい。
『おめでとう』って、言ってあげたい。
そう思うのが普通のはず。
......そう、思うのに.....
...どうして私の足は震えているんだろう
どうして、こんなに胸が痛いんだろう
どうして.....彼女の笑顔から顔を背けているんだろう?
もう、なにもかもわからなくなって、
気づけば、忘れ物の事なんて忘れて、その場を離れていた。
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シア(プロフ) - 最新お願いします! (4月14日 15時) (レス) @page18 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
狐宮(プロフ) - とても良いところで終わってしまった。。。表現力が凄すぎて感情移入しちゃいました(語彙力)2年前の作品ですが更新待ってます!!神作すぎる、、😢😢 (3月17日 9時) (レス) id: a0c6b76223 (このIDを非表示/違反報告)
夜奈 - 顔には出ていないけれど心ではめっちゃ号泣している。早く轟の気持ちが届くといいですね! (11月11日 18時) (レス) @page18 id: 83d35673c4 (このIDを非表示/違反報告)
可奈(プロフ) - ぜひ更新してください( ; ; )2人のハッピーエンドが見たいです( ; ; ) (2023年3月23日 20時) (レス) @page18 id: 7a3ef938b8 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - ももちゃんみたいな友達欲しいな(ぼっちだから羨ましい.....) (2023年1月30日 16時) (レス) @page18 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kuumi | 作成日時:2018年8月19日 14時