49話なんて。 ページ5
轟side
振り返ると、そこには長い黒髪を１つに結び、
店のロゴが入ったエプロンをした二十代前半くらいの女の人が立っていた。
彼女は俺が見ていたものに気づくと、
「ああ！そちらの商品ですか？よく珍しいからって理由でご購入なさるお客さまが多いんですよ！
...彼女さんへのプレゼントですか？」
と、声を弾ませた。
その穏やかな雰囲気とは裏腹に気さくな人柄に驚くより、
思わず『彼女さん』という言葉にあからさまに反応してしまう。
顔に熱が集まるのが自分でもわかったが、何か答えなければと口を動かした。
「....っ、まだ、か、彼女...では...ないんですけど...
.......すごく、大切な人に似合いそうだと...思って...」
そう、途切れ途切れに言葉を紡ぐと、女性は『大切な人かぁ...青春ですねぇ』なんて微笑む。
その笑顔になんだか安心して、つい胸の内にある不安を語ってしまった。
「...でも、恋人でもないやつがこれを渡したら、その人に迷惑なんじゃねぇかって...思ったんですけど....」
...それでも、やっぱりこれがいいと、自分の中ではもう決まってて。
モヤモヤと矛盾した気持ちを抱えたままそれを見つめる俺に、彼女は『そうですねぇ...』と前置きすると、
「こちらの商品、確かに、購入される方の割合はカップルが多いです。
でも、中にはお友達同士でって方もいらっしゃいますし...
つまり、プレゼントって送る側の気持ちの問題だと思います。
さっきお客さん、『大切な人へのプレゼント』っておっしゃいましたよね？
だったら、その気持ちがこもった物を喜ばない人なんていないと思いますよ。
...それに、そんなに一生懸命に商品を見てるお客さん、初めて見ましたし。」
そう言ってクスクスと笑った。
急に恥ずかしくなり、顔を反らしながらも、
「そういう、もん...なんですか...？」
と、自分の中で確認を取ると、
「はい。そういうもんです。」
また、その店員はニコリと笑って答えた。
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シア(プロフ) - 最新お願いします！ (4月14日 15時) (
レス) @page18 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
狐宮(プロフ) - とても良いところで終わってしまった。。。表現力が凄すぎて感情移入しちゃいました（語彙力）2年前の作品ですが更新待ってます！！神作すぎる、、😢😢 (3月17日 9時) (レス) id: a0c6b76223 (このIDを非表示/違反報告)
夜奈 - 顔には出ていないけれど心ではめっちゃ号泣している。早く轟の気持ちが届くといいですね！ (11月11日 18時) (レス) @page18 id: 83d35673c4 (このIDを非表示/違反報告)
可奈(プロフ) - ぜひ更新してください（ ; ; ）2人のハッピーエンドが見たいです（ ; ; ） (2023年3月23日 20時) (レス) @page18 id: 7a3ef938b8 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - ももちゃんみたいな友達欲しいな(ぼっちだから羨ましい.....) (2023年1月30日 16時) (レス) @page18 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuumi
| 作成日時：2018年8月19日 14時
