俺たちの青春！2【東海オンエア】

遅いよ ページ36

Aside



て「手ぇ繋いどきゃいいでしょーが！」


そう言って私の手を取ったてっちゃん。



小学校低学年の頃、集団下校で帰ってた時を思い出した。


「よくこうやって学校帰ってたねぇ、小2の時とか」


て「懐かしい笑 いつから繋がなくなったっけ？」


「小4ではもう恥ずかしかったからその頃じゃない？笑」



昔のてっちゃんは可愛くて、

そんでもってお兄ちゃんみたいで、

ずっと私のそばにいてくれた。



て「幸せの鐘、だってさ。初めて来た。見てここ」


「ここ、カップルが来るとこやん笑

まさかてっちゃんとこんな真夜中に来ると思わんかった」



てっちゃんのことを好きだったこともあったな。懐かしい。


遠い遠い昔のことだけど。

それでも結構長く好きだったんだよ？



なんだか懐かしい気持ちに浸りながら、飲みすぎて少しふらつきながらふわふわ歩く私の手を、

さっきよりもぎゅっと握って立ち止まったてっちゃん。



「？…てっちゃ？どした？」


て「ここ、恋人の聖地やん。

……鐘鳴らす？笑」


「…えー、恋人じゃないのにぃ？笑」



この人その意味わかって言ってんのかな？



いっつも調子いいこと言うやん。




て「いや、…だからあ！

恋人になる？って聞いてるのに」



「…え、今なんて…？」



大真面目な顔で言うもんだから。



途端に思考停止した頭。


ふわふわした頭じゃそんなの、


突然すぎて考えられないよ。



そばの街灯がぼんやりと私たちを照らしている。



て「そんな困った顔せんでよ…笑」


眉を下げて、てっちゃんの方が困って笑ってる。


「だ、だって急にそんなこと言うからやん」


て「本気かどうかはこれからの俺がわからせるから。」



綺麗な茶色の瞳が私を捉えていた。


て「…帰ろっか。」





これは告白だったんだろうか。




………てっちゃんと鳴らしに来る日が、


いつか来るんだろうか。





「言うの、遅いよ……」



てっちゃんに手を引かれた私は、聞こえないように俯きながら、そう呟いた。

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