俺たちの青春！2【東海オンエア】

どさくさ ページ35

つづき





て「え、真姫は乗らんの？」



真「あー、いいいい、私も彼氏呼んでるから」



真「A？ほら、もう私も彼氏が迎えに来たから行くよ？

また会おうね、バイバイ」



頭をポンポンとして俺に目配せする真姫。


あー、こいつモテるだろうな。納得。



て「Aさん？行きますよ？」


「う〜〜、真姫ちゃんバイバァイ」



名残惜しそうに真姫とハグをして、俺の車に乗り込むA。




て「飲みすぎやん笑」



「真姫ちゃんとだもん、当たり前やん」



久しぶりにこんなに酔ったAをみたなと思いつつ、



助手席で、トロトロのうるうるの目をしてるのが可愛くてたまらない。







Aが車の窓を開けて、夜風が車内に入ってくる。



少しジメッとしている、夏の風。




「まだ帰りたくない」



窓の外を眺めながらAがポツリと言った。



て「…ドライブでもする？」



なんか手に変な汗かいてきた。いつもよりもだいぶびちゃびちゃ。



聞きようによっちゃ、帰りたくないなんて、


誘ってるようにしか聞こえんやん。



Aに限ってそれは無い事をわかってるけどさ。



信号機の緑のライトを合図にアクセルを踏む。

Aの家も俺の家もとっくに通り過ぎて、どこまでも。




しばらく夜風にあたって、少しAの酔いが覚めてきた。



て「そういや真姫とどんな話したの」


「ん〜、近況報告。あ、真姫結婚するんだって。」


て「え？！さっきそんなこと言わんかったやんあいつ！！」


「私とは親友だから言ってくれたんだも〜ん」



「なんだそれはぁ！！笑」





真姫も結婚か。


そう、そういう歳なんだ。



しばゆーが結婚した時とはちょっと違う、気持ち。


これはきっと焦り。



「てちてちも早く彼女見つけなきゃ、結婚できんよ笑」



て「えーい！食らえ！特大ブーメラン！笑」



…人の気も知らないでさぁ。




1時間車を走らせて、何となくたどり着いたのは半島の端っこ。


地元じゃちょっと有名な、「幸せの鐘」なんてものがあるロマンチックな場所。


近くに車を停めて、降りて。


「真っ暗やん〜、私酔っぱらいよ？コケるよ？」



て「手ぇ繋いどきゃいいでしょーが」


真夜中にこんなとこに来てるのなんて誰もいなくて、
真っ暗な砂浜に足を踏み出せば、ぎゅっぎゅっと俺らの足音と波の音が混ざる。




どさくさに紛れて手を繋ぐことに成功した俺は、

手汗をかきませんようにと心で念じまくった。

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