story75 決死の逃走 ページ35
陽毬side
パーマのアリスによると周囲に人影はなく、近くの倉庫の中に大量のダイナマイトが保管されているようだ。
そのダイナマイトという言葉を聞いた瞬間、棗の顔つきが変わった。
「……お前ら、俺が合図したら全速力であのドアに向かって走れ。」
棗の顔は、いつも任務の時に見せるのと同じだった。
「陽毬も一人だけなら安全なとこまで
自分を犠牲にして誰かを守る時の顔に。
棗は僕たちを逃して自分は、レオ達を巻き込んで自爆するつもりなんだ。
「やだ。棗一人、先に行かせるもんか。」
そんなことは耐えられなかった。自分の知らないところで自分の大事な人を死なせてしまったら、この先僕は絶対に自分を許せない。
僕がいれば爆発の衝撃を結界で防げるかも知れない。もしくは爆発の範囲外まで棗を連れて瞬間移動できるかもしれない。
棗は僕の目を見つめた後、諦めたように目を閉じた。僕がこうなったらテコでも動かないことを知っているから。
「じゃあお前ら２人、よく聞け。」
棗は星なしとパーマに向けて指示を続けた。走り出したら絶対に止まるな、逃げ切った方がこの場所を学園に伝えろと。
「まって、あんたら２人はどうすんの？」
「俺は何とかなる。陽毬もいるしな。……お前らは足手纏いだ。」
勿論星なしは反対したが、棗にそう言われたら言い返す言葉が無くなったようだ。押し黙って棗の言葉に頷いた。
僕は結界の中でもアリスが使えるように制御アイテムをいくつか外して棗の合図に備える。本当なら罰則面を付けててもこんな結界壊せるのに不甲斐ない話だ。
「いけっ！！」
棗の合図と同時に２人が駆け出す。勿論、レオ達も黙って彼女らを逃す気はなく、２人を捕まえようと走りだす。
「動くな！……って、まぁ動けないだろうけど。」
僕は味方を除く全員の足を凍らせて動きを止めた。今は制御が効かないから膝辺りまで凍らせてしまったが相手は敵だし問題ない。
「そこ、妙な動きをしたら、この先にあるダイナマイトに火をつける。」
それでも相手の中に瞬間移動の持ち主がいるはずなので油断はできない。棗が瞬間移動で氷から抜け出そうとする男に向かって言うと全員が大人しくなる。
レオがそんなのできっこないと棗に噛みつくと、棗は脅しのために左手に炎を灯して見せる。
「２人とも、早く行って！」
棗の炎にレオ達が怯んだ隙に、２人を倉庫から逃すことができた。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
