story65 能力の形(前半) ページ24
陽毬side
流架がお見舞いにきてくれたことが嬉しくて随分話し込んでしまった。面会時間も終わりに差し掛かってきたしちょうど話の区切りもよかったので、流架は帰る準備を始めた。また明日も来てくれるらしいから楽しみ。僕の好きなお菓子を持ってくると言っていたので、今からワクワクしている。
ベッドから出ずに流架を見送った後、賑やかだった部屋に静寂が訪れる。棗も僕も積極的に自分から話を振るタイプじゃないので、騒がしくなるのは流架と３人でいる時くらいだ。
いつもならこの静けさも辛くないのだが、今日は何故か気まずさを感じてしまう。
「なぁ陽毬、ちょっといいか？」
「ん？ どうしたの？」
何か僕ら２人でも盛り上がれる話題はないか探っていると、意外にも棗の方から話しかけてきた。
そして棗が少し険しい表情をしているのと、いつもよりも声のトーンが低いことから、話題が明るいものではないことを察した。
「……陽毬が体調崩してたの、能力の形のせいじゃないのか？」
棗からふられたのは予想通り、盛り上がるような話題ではなかった。なんとも答えづらい質問に少しだけ言葉を詰まらせてしまう。
そんな僕をみて棗はますます深刻そうな顔をしてくるので、慌てて言葉を切り出した。
「うーん……半分正解で半分不正解かな。でも、棗の予想とは違うから安心して。」
棗が言う能力の形とは僕らのアリスとしての寿命に深く関わるものである。アリスは能力の形により４つのタイプに分けられるのだが、その中の１つに『能力を使うたび自身の寿命に影響を及ぼす』と言うものがあり、棗は僕がそうなのではないかと疑っている。
しかし病院の先生によると僕の能力の形は突然変異によるものらしく、一般的な４つの形には当てはまらなかった。
一部の形を除きアリスは使えば使うほど消耗していくが、僕の場合は永遠に無くなることはない。逆に使えば使うほどアリスは増幅されてしまうのだ。勿論欠点もある。それは増え過ぎてしまったアリスを制御することが困難であること。
通常アリスは体内の器の中に保存されており、アリスを使うとそこから消費される。身近な物で例えると、アリスの器がペットボトルで、アリス自体がその中の液体。本来アリスは器の容量より多くなったりしない。
だけど僕の場合はそれが起こりうるのだ。器から溢れたアリスは制御できないだけでなく、体内で暴発する恐れもある。今回の不調は、この溢れ出たアリスによるものだろう。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます！！ 火事に直してきました！気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます！ (2020年5月3日 1時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…｡ (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました｡助かりました｡
一応気付いたところは直しました｡
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト（οπο）さん» アルト（οπο）さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年11月29日 23時
