story59 セントラルタウン ページ17
陽毬side
顔を上げた星なしが僕らを見た。いや、正確に言えば棗の膝の上に乗ったよーちゃんを見た。星なしはさっきの頼み事などどうでもいいかのように、旗を投げ捨て立ち上がる。
「何、その子!? あんたの子?」
「燃やすぞ、てめぇ……。」
星なしはキラキラした目でよーちゃんを見つめる。怒りを含んだ棗の言葉など聞こえないのか、全く怯えるようすもなくよーちゃんに向かって手を差し出す。そこへパーマもやってきて、2人して少し上擦った、猫撫で声でよーちゃんに話しかけた。
対するよーちゃんは初対面の星なしやあまり仲良くもないパーマに靡くわけもなく、棗との協力プレイで彼女らを弄んでいた。
棗の指示でよーちゃんが悪霊を出し、星なしを怖がらせたところで、星なしはよーちゃんを抱き上げるのを諦めたようだ。
棗はよーちゃんの頭を撫で笑う。久しぶりに棗の笑顔を見て少し安心した。
「よーちゃん、またアリス使うの上手くなったね。今のすっごくよかったよ!」
棗が笑ってるのが嬉しくて、誇らしそうにしているよーちゃんが可愛くて僕も一緒になってよーちゃんを撫でる。
よーちゃんは嬉しそうに目をつぶって撫でられた後、床に落ちた旗を指差した。それは先程星なしたちが背中にさしていた旗で。
「もしかして……セントラルタウンに行きたい?」
よーちゃんに問いかけると、彼は小さく首を縦に振った。彼の頼みなら何がなんでも叶えてあげたい。今日は棗が乗り気でない事は分かっていたが、2人で頼めば何とかなるだろう。
「棗、一緒にセントラルタウン行こ?」
「……分かった、行くぞ。」
「わーい、やったねよーちゃん!」
よーちゃんと2人して棗を見つめていたら、根負けしたようで行ってくれることになった。まぁ僕が何も言わなくてもよーちゃんを大事に思ってる棗なら行ってくれただろうけど。
ただし言い出しっぺの星なしはバスの中でパシリをするという条件付きで、同行を許可された。
セントラルタウンまでの移動中、椅子にも座れずこき使われる様に少し同情した。
*
セントラルタウンに付くと、そこは土曜日ということもあり既にたくさんの人で溢れかえっていた。といってもいつでもここは賑わっているのだが。
セントラルタウンはアリスを持つ職人たちの店がたくさん並んでいる。ゆえに喋る文房具や勝手に動く人形などの不思議な商品がたくさんある。
誰も見張ってないしで、星なしたちとは別れて棗と街を回ることにした。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます!! 火事に直してきました!気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます! (2020年5月3日 1時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…。 (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました。助かりました。
一応気付いたところは直しました。
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト(οπο)さん» アルト(οπο)さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月29日 23時