マジデヒトメボレ（SZ短編集)

愛しのSweet Devil（風磨）03 ページ9

何人も居たメンバーも終電を機にほぼみんな帰ってしまった。

俺は最寄りだから時間をまるで気にしなくて。

いや、酔っていたって頭ではちゃんと解っていた。

Aに連絡しなきゃなって。

『遅くなるよ』って『心配すんなよ』って『先に寝てて』って。

『明日は一緒に過ごしたい』って。

どれもこれもしょうもないプライドが勝って言えなかった。

言えない自分を直視出来なくて酒に逃げて…。

一体どうしてこんなことになってしまったのか。

仲が良かったはずだ。

普通のカップルと同じように、いやいや、それ以上に。

だからこそ一緒に住もうって俺は提案したし彼女もそれに同意した。

住む家を決めるときに少し喧嘩もしたけれど、なんなら俺は自分の意見を強引に押し通したところもあるけれども、でもお互いの大学のちょうど真ん中に借りてさ。

え？もしかしてそれ、納得出来ていなかったの？

嫌だった？ならそう言ってよ。

なんて、言えないくらい俺が丸め込んだのか。

Aは優しいから…。

そんなAでももう俺のわがままが嫌んなっちゃった？

あぁあ。こんなことなら同棲なんかしなきゃ良かった。

嘘。そんなの嘘だよ。

もっとずっと一緒にいたいんだよ。

今更、同棲は解消って言われたって了承なんかできない。

わがまま、俺様。

酷い彼氏。

解っちゃいるけどどうしていいかもう解んねぇよ。

でも俺は歩み寄ってんだろ。

なのにAが逃げるんだ。

俺との時間を少しも取ってはくれないし、適当にあしらう。

そんなに俺のこと、やだ？

傷つくわ、マジで。

もう考えたくない。

飲みすぎて眠くなった！

強制終了します。

机に突伏し酔いに任せて寝てやる。

愛しのSweet Devil（風磨）04→←愛しのSweet Devil（風磨）02

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す