you are mine(風磨)07 ページ36
Aはもう嬉しくて飛び上がらんばかりだった。
急いで通話ボタンを押して自然と明るくなる声で話しかける。
「風磨くん、どうしたの?」
「ん?別に。移動中で時間が空いたから。」
「私は駅に着いたよ。今日楽しかったよ。」
「良かったね。ふふ、テンション高ぇ。」
「だって…」
だって、嬉しかったのだ。
時間が空いたからと自分を気にして電話をくれる風磨の優しさが嬉しかった。
水曜日は忙しいからいつもは電話だってないのに。
「何作ったの?」
「肉じゃがと切干大根と豆腐の味噌汁作ったよ。人参は花じゃなかったよ。」
Aが報告すると風磨が「へぇ」とか「そう」と相槌を打った。
その相槌がとても優しく甘えさせるように紡がれるのでAは今日あったことを一から十まで全部言いたい気分になった。
けれどそんなことは無理なので掻い摘んで話すことにする。
「4人グループでね、みんなお料理上手だったよ。みんないい人だったよ。」
「そう。」
「大学生の男の子と社会人の女の子2人でね、女の子は2人とも新婚さんなんだって。」
「へぇ。あ、もうすぐ着いちゃいそう。」
電話の向こうで風磨がタクシーの運転手さんに降車位置を指示している声がした。
「ごめん。いっぱいしゃべっちゃった。」
「ん?楽しそうで何より。もう遅いから、気を付けて帰れよ。」
「遅いって、まだ9時半だよ。」
「駅までちょっと距離あんじゃん。」
「港○○ビルって大通り添いだったよ。人通りも多かったから大丈夫。」
「でも、女の一人歩きは危ねーの。」
「駅まではお料理教室の男の子と一緒だったよ。」
「じゃ、そっちが危ないかもねぇ。」
「えぇ?何それ。その子大学生だよ?年下だよ?大丈夫だって。」
「ふーん。まぁ本当、気をつけなさいね。」
「お兄ちゃん過保護!どうしちゃったの?」
「いいから、言うこと聞きなさい。」
「ちゃんと真っ直ぐ帰るよ。」
「それだけの意味じゃなくってね。まぁいいや。家に着いたらライン入れろよ。」
「解った。お仕事頑張ってね。」
電話を切るとAは暫くスマホの画面を見つめた。
忙しい中で風磨が合間を見つけて電話をくれたことが本当に嬉しかった。
好き。大好き。
Aは心の中で何度も思って先ほどまで繋がっていたスマホをぎゅうっと握りしめた。
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あい(プロフ) - イチさん!このお話最高です。風磨くんにこんなに「俺の」って言われたらもう//好きしかない。風磨くんすき (2019年9月26日 22時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - あいさん» わたしも風邪ひきたいと思ってたんですけど風邪ひいてもふうまさんがきてくれなくてただつらいですwあいさんもお気をつけて。。。 (2019年9月26日 20時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 風磨くんが看病してくれるなら風邪ひきたい。ツンデレ具合が堪りません!でも確実に熱上がりそうです (2019年6月11日 15時) (レス) id: 88ef7968ef (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - みちさん» コメントがUPして私がチェックするより前だったんですけど早すぎない?w (2019年6月10日 23時) (レス) id: d3ad2b2239 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - あまーい!菊池さん甘いよぉー(歓喜) (2019年6月10日 22時) (レス) id: 375937212d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチ | 作成日時:2018年4月15日 4時