せくしーたち7

2 ページ33

勝利side

健人くんの家に2人で遊びに行くってなった時から決めてた。タイミング見つけて健人くんの部屋色々触ろって！楽しいじゃん！

そしたらちょうど買い物出てくれたから健人くんの部屋に2人ではいった。
「聡くんはいつぶり？」
「...お仕置きぶり」
「俺も。このベッドでよく泣かされてる」
「やっぱり？この部屋ってなんかやだね」

笑いながら色々見てたんだけど、健人くんの引き出し全部鍵かかってんの。なにこれ。
「ねーなんか心当たりの4桁ない？」
「いろいろ試したけど開かないんだよねぇ」
「誕生日じゃなかったしねぇ。デビュー日とかかな？」

「あ！あいたよ！」
ホントにデビュー日だった。健人くんってホントにそういうとこある。で、中身見たらノートがいっぱい。表紙に俺たちの名前が書いてある。

「...勝利、見て。」
先にノート開いてた聡くんに見せられて思わず絶句する。何これ。俺がタバコのやつで叱られた1週間の記録。しかも横に1ページ丸々激怒してる健人くんのコメントがあるし。

「あのバカ。なに考えてんだ。俺がもっとちゃんと躾けとかなきゃダメだった。だって。」
「...もう見るのやめよっか。」
俺のなんて大量だ。一番少ないのは風磨くん。

「健人くん、すごいけど怖いね。」
「もう叱られないようにしなきゃだね。」

ノートを全部しまって鍵をかける。
「この引き出しも開けてみる？」
「...うん」
怖いもの見たさだった。同じ番号で開いたから開いたらまた鍵付きの箱。

「...」
お互い顔を見合わせたけど、健人くんの秘密なんて面白そうだし開けようとしたら番号が違った。
「...やめとく？」
「でもこんなチャンスもないよ。」
「そうだね。じゃあ結成日とか？」
あ、開いた。恐る恐る開けて2人とも固まった。

見覚えのある櫛、多分俺らが割ったガラスの破片、タバコ、俺が書いた反省文、それに大量の診断書、先生に渡された表、使われた座薬まで入ってる。
「...勝利、やばいね。」
「うん。もう叱られることしちゃダメだ。」
「いい子になろ。健人くんの負担になっちゃだめ。」

「てか、なんで座薬？健人くんお仕置きに使わないでしょ？」
「...マリじゃない？」
そんなん聞いてくんなよ。聡のだって大量にあるくせに。

「もうリビング戻ろっか。」
「うん」

2人とも黙り込んじゃって、健人くんに怪しがられたけど、何も言えなかった。だってもう絶対いい子でいようって決めたから。

3→←秘密の箱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す