せくしーたち10

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風磨side

俺らも怒られたよ。中島と2人絞られて泣かされた。まぁよくあんだよ。年下３人がやらかしたら俺らが怒られること。でもまぁ、仕方ないっちゃ仕方ないし。

それで勝利のとこ行く直前に棒渡された。使えって。でも俺も中島もされたことあんの。棒。絶対使いたくない…
「使わないよな？」
「当たり前だろ」

だから勝利の手握って頑張らせた。まだまだ細くて子供の体の勝利だから押さえるのは簡単なんだよ。でも、厳しくはやっぱりまだまだできない。可愛さが勝っちゃって。

それは松島も同じで。というか松島の方がちっさくて、泣いて必死で足バタバタしてるのがあまりにも可哀想で見てられなくなる。まだ中学生なのに。この仕事してなければ、親にゲンコツ食らうだけで済むのにって。

バチィィィン！パアァァァン！パシィィィン！
「うわあぁぁぁぁん！！！」
「中島っ…もぅ…！」
「…っ、んっ」

中島も泣いてんだもん。俺も泣いてるし。
「ひぐっ！うあぁぁぁん！！！」
「勝利、こっちおいで」
壁に向かって大人しく立ってた勝利がゆっくりこっち来た。

「ひぐっ！ぐずっ…うっ」
「聡、立ちなさい」
「うわあぁぁん！！げっどぐー！！！」
「立ちなさい。ほら」

まだ膝から動けない松島を中島が無理矢理勝利の隣に立たせてるけど、すぐへたりこんじゃう。中島がぐって奥歯噛んだのがわかる。
「聡！ピシッと立ちなさい！」
バチィィィン！パアァァァン！パシィィィン！

「ぎゃあぁぁぁぁん！！」
「立てるまで叩くよ！早く立ちなさい！」
パシィィィン！
「うあぁぁぁぁ！！！」

あぁ…辛い。まだ子どもなのに…何回も無理矢理立たされたまま叩かれて号泣する松島と、めちゃくちゃ辛い顔で泣きながら叩き続ける中島。地獄だよ。

「松島！立て！」
埒があかなくて2人とも辛いままだから。厳しい声で怒鳴ったら一瞬シンとして中島が松島から離れた。
「うあぁぁぁぁ！！うわあぁぁっ！ひっく！」
「聡くんっ…」

泣き止まないけど頑張って立てた。勝利が松島の腕掴んでるからってのはあるかもだけど。
「菊池、一瞬頼むわ」
「ん」

中島が涙拭いて、多分顔洗いに部屋から出て行ったから2人の腕握る。
「聡、勝利、なんで中島があんだけ厳しかったか分かるな？」
「ひぐっ！ひっくぅ…ふっふっふぅぅっ！」
「んっ…わかるっ」

「みんなめちゃくちゃ心配した。それに、迷惑かけた。落ち着いたらでいいから、後でみんなで一人一人に謝りに行く。できる？」

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