風邪引きZone【５】

☆ ページ27

風磨さいど
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「よし健人くんもいいねー！ソロカットOK！」

健「ありがとうございましたー」

撮影してる時はほんと普通なんだけど

風「お疲れ。じゃ、戻るか」

健「うん」

…でも話しするなら今か
セット入れ替えるのに少し時間も空く

風「やっぱさ、ちょっとそこで話さない？」

健「え？いいけど…」

なんて絶対何があったとかは話してくれないと思うけど
外のベンチに腰掛ける

風「こないだの歌番、好評だったって、中島のパート」

健「まじで？そういうの嬉しいわ」

風「何があったかとかは知らないけどさ、自信持ちなよ。今日おかしいもん」

健「うん…」

あれ、割と唐突に切り出しすぎたかな…
我ながら切り出し方上手いと思ったんだけど
多分、多分だけど今の中島は１人になるのを嫌がってるというか…怖がってる

風「今日はずっと俺もいるし、勝利たちもいるから」

健「うん…」


数秒沈黙が続いたあと、中島が話し始めてくれた

風「フラッシュバック…的なやつか。話してくれてありがとな」

健「ごめん…。やっぱ風磨さすがだわ、すぐ気づかれちゃった」

無理に笑う中島を見てるのが心苦しかった

風「まあでもそんなん夢だし。中島はもう１人じゃないし、それで事務所入ったことだって俺は間違ってないと思うし。あんま気にすんな…ってのも難しいか」

健「ごめん…」

謝らせたいわけじゃなかったのに
なかなか難しい

いろいろ話してるとスタッフさんに呼ばれて５人揃ってスタンバイ
撮影中は至って普通だ

「じゃあ次外ねー。着替えたら外出てて」

外の芝生で撮影だって

「あ、ごめん、健人くんさ、控え室の隣の部屋にラケットとかあるのも持ってきてもらっていい？」

５人揃って着替えて外に出る途中、スタッフさんに呼び止められた

健「あ、はい」

たかが数メートル戻るだけでも中島の顔が曇る

風「あ、その時間空くならトイレ行ってきていいっすか？(笑)」

「あぁ、いいよ(笑)」

なんて、トイレ行くふりして中島に着いていった

健「ありがとう…」

風「おう」

この小道具を忘れるスタッフさんもなかなか面白いもんだよね(笑)

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