変わってあげる。【wrwrd】 (ページ10)

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誰かの声が聞こえた。

どこを見ても人がいない。

『ねぇ。いいでしょ？』

頭から直接聞こえてくるような感じがして、気持ち悪い。

『簡単だよ』

また声が

『一言言うだけ。』

横から

『助けてって言うだけ』

後ろから声がした。

後ろを振り返る。

「！！」

人がいた。

暗くてあまりわからないけど、

ロープでおおわれていて、顔に仮面をかぶっている。

「誰？」

『あまり、自分のことは言えないねぇ。』

笑っているのか、明るい声だ。

『そうだねぇ。本名じゃなけど、ミロワールと呼んで。』

「ミロワール、、、、、なんでここにいるの？」

『ん～、何でだろうね』

私の視界にミロワールの顔が大きく映る。

『・・・・君の瞳は、霧がかかっているね。

　誰にも言えなくて、苦しくて、、、

　でも、

　まだ時間じゃない。』

「どういうこと？」

『ああ、こっちのはなし。』

ミロワールは後ろに下がり、私を見つめた。

面白そうに私を見る。

「なにか面白いことがありましたか？」

『そう見える？』

女か男かわからない不思議な声が私の耳に入る。

なにか隠しているようで、仮面をしていてもわかるくらい声がうきうきしている。

うなずけばごめんと言って、

『本題に入ろうか。

　なんでここにいるのか教えてあげる。』