さいごのしずく ページ22
家を出たあと、あたしは風磨の家に向かった。
大きな家の窓から見えた、
明らかに母親ではない後ろ姿。
「風磨と…幸せになってね」
ひとこと呟いて、
それからいつまでもいつまでも
風磨の家を眺めていた。
風磨side
誰にも言ってこなかった秘密。
それを隠し通すことができて、
良かったと思う。
これだけはぜってー言わねーって
決めてたから。
いくら、Aに告白されても。
高校に向かいながら、
父さんへの言い訳を考えている自分が
バカらしくなった。
今日はA、学校来ないんだろうな。
もう少し長く、喋っていたかった。
、
、
、
、
、
3月の初めに、俺は君を思い出す。
「旦那様、どうかなさいましたか?」
「いいや。初恋の事を思い出していてね」
初恋の相手は、いつでも明るく優しくて。
“風磨!早くー!!”
身分なんて関係無く、接してくれたんだ。
「…余程お好きだったんですね、
その方のことが」
「ん?…まあね。
あ…もうすぐ誕生日だな。
双子だったんだよ、彼女は…。」
「A?どうした?ぼうっとして」
「あ、ううん。
…もうすぐ誕生日のひとがいるの」
「へえ。どんなひと?」
「あたしの初恋のひと。」
恋の泪は、美しい。
その名は、
恋泪 Fuma.K fin.
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七海 - 感動して、涙がほろりと溢れました。切なかったけど、面白かったです!ありがとうございました! (2020年10月17日 17時) (レス) id: 83f7c9d8f8 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 杏奈さん» 読みます!! 更新楽しみにしています (2016年6月15日 17時) (レス) id: 9381f1f95b (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - みぃさん» ありがとうございますっ>_<他にもいろいろ作品書いてるので、良かったら是非♪ (2016年6月15日 17時) (レス) id: da2fd4ef73 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - すごく面白かったです!!感動しました(・_・、) (2016年6月15日 17時) (レス) id: 9381f1f95b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏奈 | 作成日時:2016年6月5日 10時