恋泪 Fuma.K

じゅうごしずく ページ16

こんなに泣いてしまって健人に悪いな、
そう思うほど泣きながらあたしは冷静だった。


…直にその冷静さが消え去る時が来るなんて
知らずに。





「姫、俺コンビニ行ってくるよ。」



泣くとお腹空かない？
無駄に体力使うから、

てどこまでよくできた兄なんだよ。



「いや、あたしも行くよ」


そう返すと


「うーん、俺は構わないけど…
そんな泣き腫らした顔で大丈夫なの？
女の子ってそういうの気にするよね？」



あ。




「じゃー行ってきまーす。」



健人め…こいつも無駄な女子力…。
ていうか女子の心を完全網羅してる…。



、

、

、

、

、



泣きまくったからなのか喉が痛くて、
しかも頭までぼうっとする。



ピンポーン。



「あれ、健人帰ってきたのかな…。」



そんなだったから、なぜ鍵を持ってる健人が
わざわざチャイム鳴らしたのか、なんて
そこまで考えが回らなかった。



「はー…い…」


「A」


、

、

、


「風磨…。」

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