恋泪 Fuma.K

じゅうにしずく ページ13

風磨とふたりきり…
健人め、絶対にわざとだろ！


「なーA？」


「あ、はい！？」


「え、何でそんな驚いてんの？笑」


「いや、別にっ」



部活中以外はほとんど健人がいたから
ふたりきりなんて緊張。


一応あたし女だからね。
そんなに風磨と親密ってわけでもない。

健人が親友だから、双子の妹として
一緒に学校行くだけって
思ってるかもしれないし。



「おーい、A？」


「ん？？」


「お前、どうした？さっきからぼうっとして」


「なんでもないよ！！」



やばい、心配されちゃったじゃん。
あたしのばかっ！！



「熱でもあるんじゃね？」



ひやっ。
少し冷たい手があたしのおでこに触れて…
もちろん、それが風磨の手だってことは
すぐにわかった。



「ちょ、熱、なんてないから！！」



風磨の腕を掴んで顔を上げると、
バチッと目が合った。


…いやもちろん、そんな至近距離にいて
目を逸らされる方が悲しいんだけれど。

でも、あたしの頭は真っ白になってしまった。



「ーーーーーっ！」


腕を放るように離して、
あたしは猛ダッシュして逃げた。

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