・ ページ37
浮所said
那「やっぱ，言わないほうがよかったかな………」
浮「いや。俺は今言ってよかったと思うよ？多分、渡瀬も渡瀬なりに色々考えてるはずだし。」
那「………うん。そうだよな。」
渡瀬が帰った後、俺らもずくに店を出て駅に向かった。
あの時謝っていた渡瀬の顔。
ほんとに申し訳なさそうに、でもまだ受け入れきれてないような、そんな複雑な顔だった。
ショックだったんだろう。
渡瀬の中では、みんな平等に接しているつもりだったはずだから。
あの渡瀬の顔を見たら、やっぱりいうべきじゃなかったのかなとも思った。
けど、今後一緒にやっていく上でこのことはいつかは話すべきだった。
そのタイミングがたまたま今だっただけ。
どっちみち，時間の問題だったと俺は思う。
その後も、那須とたわいない話をしながら駅に向かっていると、あっという間に方向の違う那須と俺が別れる場所まで来た。
浮「じゃ、また明日。」
そう言って那須と反対の方向を向くと………
那「ねぇ、一個だけ聞いてもいい？？」
浮「何？？」
那「浮所って、なんでAのこと渡瀬って呼んだりするの？？メンバーの中でそう呼ぶのお前だけじゃん。」
浮「え………」
そんなこと聞かれると思っていなかった。
だって今までこの事を俺につっこんでくる人はいなかったから。
しばらく固まっていると，那須がニヤニヤしながら俺の顔を見てきた。
那「お前、まさかAのこと………」
浮「ちげーよ！ばーか！そんなわけないだろ？？」
那「じゃあなんでだよ。」
浮「それは………」
那「それは？？」
浮「…………秘密！」
那「はぁ〜？なんだよ、それ！散々貯めたくせに言わないとか反則だろ〜」
浮「そういう那須もちゃんつける時と呼び捨ての時あるのなんでだよ。」
那「あぁ。あれは大事な話する時とか、慰めたりするときはちゃんで、普段は呼び捨てって分けてるだけ。ほら。俺ちゃんと理由言っただろ？？お前も言えよ。」
浮「別に交換条件だなんて言ってないし〜。あ、そろそろ電車来るから行くわ。また明日〜！」
那「あ、ちょ、おい！浮所！！逃げんなって！！」
那須が喚いてる声を聞きつつ、俺は駅のホームへと足を運ばせる。
那須の理由，案外普通だったな。
俺の理由は，そんな単純には話せる内容じゃない。
俺は『呼ばない』んじゃなくて、『呼べない』んだ。
だってこれは………
俺とAの約束だから。
再び作者です→←5周年！！！〜after story〜 part2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cocoa(プロフ) - コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！柊真くんの漢字、指摘ありがとうございます！ずっと間違っていました………修正してきますね！本当にすみませんでした！ (2021年4月18日 8時) (
レス) id: 424818a8d9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - お話面白くてすごく好きです！ (2021年4月18日 5時) (レス) id: 3fe19f2ae8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とーま君の漢字って斗真じゃなくて柊真じゃないですか？ ごめんなさい気になっちゃって… (2021年4月18日 5時) (レス) id: 3fe19f2ae8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cocoa | 作成日時：2021年3月30日 12時
