星屑をつかまえて (ページ4)

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コーラと君とページ4

あの日、俺を追いかけてきた彼女は

『あ、あの…っありがとうございました！
　また中村さんと共演できるように、私もっと頑張ります！』

少し俯きながら、でも強く、真っ直ぐな声で
そう言った

胸のあたりでぎゅっと握り締めている両手が
少し震えていた

これはおっさんの自惚れかもしれないけど、

どれだけ勇気を出して
俺を追いかけてきたのか、声をかけたのか

想像したら、どうにかして俺もその気持ちに応えたくて

俺も、何か言わないと、言ってあげないと…

「こちらこそありがとう、
　一緒にできて良かった」

咄嗟に出てきた言葉は、まぁありきたりな…
気の利いた言葉ではなかったが、

それでも彼女は俺のその言葉を聞いて、
俯いていた顔をそっと上げて少し照れ臭そうに、でも安心したように笑ってくれた

俺も釣られて、少し笑った

「っあ、コーラ…いる？」

『えっ…と、いや…』

「ぇ、あっ大丈夫！未開封！」

『違くてっ、あの、私…

　炭酸、飲めないんです…』

「え」

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スタジオを出て、次の現場まで行くため
暑い、夏空の下を1人歩く

彼女とはあの後直ぐに

「また、」と言って別れた

"また"

一緒にできたらいいな

あぁくそ、本当に暑いな、今日は

顔が熱って、汗が出る

右手に持っていたコーラの蓋を開けて
一気に喉に流し込んだ

それは、すごく暑い、夏の日の出来事だった