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「風磨がオーダー入れるのはまずいっしょ」
とご丁寧にCTに採血一式、点滴オーダーまで
文句なし完璧に入れてある仕事の早い旧友。
入院となればこっそりと外来に連れてきて
自分が診るのとは訳が違う。
「ついでに主治医は俺にしておいた。部屋はうちも満床だからって理由で小児科にお願いしたから副担当は風磨であげておくね」
何も言わずとも根回しができる気の利く親友に
そっと心の中で感謝して…
Aが病棟に上がった、という連絡を受け、
バイト終わりの中島と共にAの病室へ向かう。
今回の自分の行動に反省しているのか、
普段からは考えられないほど素直に身体を預けてくる
Aの細い腕に点滴を繋ぎ、
少しだけお小言を投げかけ部屋を後にした。
『313の名字さん、主科は呼内だけど主治医(中島)から話聞いてるから夜なんかあったらコールして。』
夜勤の看護師さんたちへの根回しも忘れず…
医局へ戻り、
溜め込んだ仕事を片付けて仮眠を取っていたところ
鳴り響いた当直PHS。
嫌な予感すぎる、、、
「313の名字さん、呼吸状態悪いんですけど来てもらえますか？」
予感は的中。
『すぐ主治医にもコールして。今日当直だから』
主治医が当直で待機しているのに呼ばないのはおかしい
かつ、人手は多い方がいい。
電話越しにナースに指示を出し、
Aの部屋へ急ぐ。
「っはぁ…ごほごほごほっ！〜っ！！」
激しく咳き込むAの姿。
『この状態何分くらい？』
「コール取ってから10分弱です」
『SATは？』
「80%半ばから後半ふらついて落ち着かなくて」
『とりあえずマスク5ℓで開始しようか』
『Aちゃんごめんなぁ、苦しいな…』
指示を出しながら呼吸状態を診るけれど、
なかなかに状態は良くない。
「菊池どう？」
こちらも走って駆けつけてくれたであろう親友の姿にホッとする。
「レベル悪そうだね」
「しんどいなぁ…、」
シビアな表情をするも、冷静さを欠かさない中島。
「Aちゃんしんどいね、すぐ楽にするからね」
こんな時でも、王子なんだなおまえ…
「っげほ…ぜぇ…っはぁはぁ…」
「菊池、ソルメド入れよう、生食50で用意して」
「O2、7まであげようか」
流石、専門医。指示も早い。
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あんり(プロフ) - はじめまして！杏莉と申します！初めてcorinaさまの作品を拝読させていただきましたー！すっごく心温まる作品で1日で全て読んでしまいました！これからも、陰ながら応援しております。 (2022年2月5日 22時) (
レス) @page5 id: 78b05008ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：corina | 作成日時：2021年4月30日 0時
