彼は、主治医。

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中島『Aちゃん、お腹痛い原因なんだけどね？今、Aちゃんのお腹の中で、卵巣っていう赤ちゃんの卵がある場所が何らかの原因で捻れちゃってるんだ、それで今すっごくお腹痛いんだと思う。だから、今から手術して、その捻れを取ってあげないといけない』




「っ、え、、(涙)」




中島『急に手術なんてびっくりしたね、、でも、このまま何もしないでおくとずっとお腹痛いままだし、捻れたままにしておくと血の流れが止まっちゃって卵巣が壊死っていって死んでしまうかもしれない凄く怖いことになるんだ。』



「っ、(涙)や、だぁ…(涙)」




緊急オペとなると、

オペする側も急ぐし、

本人の気持ちもなかなかついてこないことが多い。


説明すら十分にいかないままオペになることなんてざらにある。





茎捻転だって今中島が言ったように壊死を起こせば最悪の事態。

1秒でも早く切りたいだろうにいつだって表情変えることなく落ち着いてICするんだから、本当にこいつ医者の鏡だな…




佐藤『A、びっくりしたと思うけど、Aのために頑張ろう？、ね？』


痛みによるものか、

不安からか。

溢れて止まらない涙を勝利が拭いながら説得し、

本人もオペを承諾。








佐藤『健人くん、お願いします。』


中島『うん、ちゃんとお預かりします。』




中島『よし、じゃあAちゃん、向こうで待ってるから頑張ろうね、』




そう言って頭を撫でてオペ室へ向かっていった中島。
(今日予定オペ3件の間にねじ込んだらしい、すげえ…)







オペ室出棟前には、
ちらりと麻酔科の大野くんが顔を見に来てくれて…



いつものようにふわっとゆるっと挨拶してから勝利の背中を叩いて彼もまたオペ室へ歩いていった。

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