せ く し ー ぞ ー ん の ほ わ い と ち ゃ ん / ２

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岸「 あ 、来た 」


「 げ 」


岸「 げ とか言わないでよ (笑) 」







さっきのレッスン場の前を通らなきゃ帰れないから 、恐る恐る通ろうとしたらさっきの男の子がドアの前に座ってた 。


… な 、何なんだ一体 。







岸「 メシ食いに行こ ！ 」


「 何でですか … 」


岸「 んー 、同期の親睦深めようぜと 」


「 えー … 」


岸「 俺の奢りでいいから ！ ね ！ 頼む ！ 」


「 … 奢りならいいよ 」


岸「 おっしゃ ！ 牛丼行こ牛丼 」


「 牛丼て … 」


岸「 俺 金ねえんだって ！ 」







まあ奢ってもらえるなら何でもいいや 。


若干この人の圧にも負けて 、仕方なく牛丼屋に行くことになった 。


岸優太くん って云うらしい 。同い年 。同期 。

… なんだか親近感湧いてきちゃったよ 、どうしよう 。




牛丼屋に着いて 、勝手に並盛を2つ頼もうとする岸くんを遮って大盛を頼んでやった 。


「 えええ … 」って言いつつも許してくれたから 、悪い人ではない … と思う 。







岸「 大盛ってもー 、細いのに意外と食うの ？ 」


「 まあ 、」


岸「 俺が破産したら菊地のせいだからなー 」


「 うん 、」


岸「 えっと … 」







困ってる 。

申し訳ないけど面白いぞ 。


向かい合って座ってるけど 、ずっと視線は斜め下 。

… 人見知り酷すぎて 、初対面の人と目が合わせられない 。







岸「 … Aって呼んでもいい ？ 」


「 … いーよ 」


岸「 俺のことも優太でいいよ 」


「 … きし 」


岸「 え 」


「 きし 、ね 」


岸「 なんで ！？ 」


「 ふふ 、」







あまりにもリアクションが大きいから笑っちゃった 。


私が笑ったのを見て 、岸まで嬉しそうに笑うから なんだかあったかい気持ちになった 。なんだこれ 。







岸「 なんでAは事務所入ったの ？ 」


「 二宮くんになりたいの 」


岸「 え ？ 」


「 二宮くんをテレビで見たときにね 、好き ！ 応援したい ！ ファンになる ！ って感情よりもね 、
この人みたいになりたい 、って思ったの 」


岸「 へえ 、」


「 … 笑わないの ？ 」


岸「 え 、なんで笑うの 」


「 みんな 女なのに何言ってんだ って笑ったのに 、」


岸「 笑わねえよ 、Aの夢なんでしょ ？ かっけーじゃん 」


「 … 」







… 泣きそうになった 。


この日から私は岸が大好きで 、だけど

岸は 、どうなんだろうなあ 、

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