10話：初登校とテスト【貴女】 ページ21
時が経つのは早いもので
今日は入学式
勿論のことながら私の弟は一般受験の中から首席で合格した
私が此処で教師をしている事は未だに伝えておらず、今日嫌でも知る事になる。何だか私まで謎にﾄﾞｷﾄﾞｷしてきた
因みに今年から消太さんと私で1-Aを受け持つ事となり、もう生きた心地がしない怒涛の日々を何とか乗り越えた。
勝己には電話で合否発表を貰ったが私は知っていたし、何ならその時には配分が決まっていた為、新学期に向けてやらなきゃいけない仕事が
山積みでそれに加えヒーロー活動、自身の事務所の仕事に追われ本当に魂がどっかに行きそうになった
相澤「A？行くぞ」
「あ、もうこんな時間？！」
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀと家を後にし、私の運転で職場に向かう
「私達は入学式には出ないでしょ？」
そういえば、あの地獄のテストをやらさせる側になった事に今更ながら実感してきて気が引けた。
相澤「嗚呼、真逆同じ事をやらせた元教え子が今度は一緒にやらせる側になるとは思っても見なかったな」
ﾆﾔﾆﾔ笑う消太さんを横目に溜め息を吐いた。
「本当にね、今年はいい個性の子多いみたいだけど、それだけじゃあヒーローは務まらないから」
私の言葉に相槌を打つ消太さん
私はアクセルを踏み込み少しの期待を入学者達に向けた。
マイク「yeh！！！グッモーニン！イレイザー！Blast！」
到着して早々にマイクが大きい声で挨拶をしてくる
相澤「「うるさいよマイク」」
綺麗に声を揃えた私達にｶﾞｯｸﾘしているマイク
正門の方では生徒達が登校してきたのだろう。
話し声が微かに聞こえてくる。
ちょっかいをかけてくるマイクを軽くあしらいながら職員室に入る
オール「あ、おはよう」
未だに萎んだ彼の姿には慣れない
何とも言えない緊張している様な面持ちで壁に掛かっている時計をﾁﾗﾁﾗと確認している。
「おはようございます」
出勤している先生方に挨拶を済ませ、自分のデスクに腰を掛けた。
それに続いてｺﾞｿｺﾞｿと横の床で寝袋に入る消太さん
見なかったことにして残っている作業に取り掛かる。
暫くして校長が職員室に入ってきた
朝の挨拶を済ませ各自入学式に向けて準備する。
相澤「A、行くぞ」
「はい」
私はいつもの様に消太さんの後ろにつき目的の1−Aに向かう
だるそうに歩く後ろ姿に思わず笑いがこみあげてくる
教室まであと少しの所で私はどこからか現れた校長によって足を止めた
「先に行っててください」
時間は有限
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作者名：@yu | 作成日時：2022年8月28日 5時
