7話：初めての入試試験官【貴女】 ページ14
時は少し経ち、雄英高校に教師として戻って来て1年が経った。
今日は入試当日。
受験者がぞろぞろと学校に入って来るのを私は今年からここの教師になるオールマイトと校舎の窓から見ていた。
時間ギリギリに来た彼は何処か清々しい表情でいた
「こんな時間になるまでヒーロー活動ですか？平和の象徴さん」
オール「い、いやぁ実は愛弟子が今日受験なんだ」
ｵﾛｵﾛとしながら此方の機嫌を伺ってくるナンバーワンに思わず笑いが込み上げてくる。
「別に怒ってるわけじゃあ無いんですよ？説教なら相澤先生にされてましたしね」
遅い、合理的じゃないと散々怒られていた
ふと、高校の門付近を見るとポケットに両手を突っ込んだ弟の姿があった
全く、あれじゃあどっからどう見ても不良なのだが…
勝己の前にいる人の姿に目が留まる。
「出久君？」
勝己の幼馴染みで2人が小さい時は良く面倒を見た
勝己以上に久々に見た彼の姿は面影はあるも、男の子らしい身体つきで特訓したんだろうな
4歳を過ぎてから勝己は出久君を“無個性”のデクと呼ぶようになった
遊ぶのも徐々に数が減り、見下したその態度に私が怒って約1ヵ月程の大喧嘩して口を聞かない時もあった
「まさか、愛弟子って出久君の事ですか？」
出久君もの姿を目視した途端緊張したようにｿﾜｿﾜし始めた
何で貴方が緊張してんだ…
オール「そ、そうなんだよ…大丈夫かな…彼」
「愛弟子何でしょう？貴方が信じてあげなくてどうするんですか」
出久君は“無個性”だったはずだが…
何か理由があるんだろう
因みに、今日は一般の受験日
推薦受験は少し前に行われて私はその日事務所の方から緊急要請があって欠席していた。
「さて時間ですね、モニター室に移動しましょうオールマイト先生？」
オール「先生か…慣れないとね」
「私も最初はそうでしたし、って言ってもまだ私も1年しか教師してないんでお互い新人です。頑張りましょうね」
私達はその場を後にして、モニター室に移動した
初の入試試験官としての仕事は評価しチェックする事
受かってから、高校生活で学ぶ為のベースデータを作成するんだが…
何個かに分かれた会場のいくつかを任されている。
在学時もだったが就任してから校長先生の私に対する評価はかなり良いらしく…大役を任される事が多い。
最初は消太さんも一緒に居て教えてくれていたが
今じゃ1人で行っている
集まって来た先生方に挨拶しながら消太さんの隣に腰を掛けた。
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作者名：@yu | 作成日時：2022年8月28日 5時
