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木の擦れ合う音が周囲に響く

呼吸を上手く使い分け無一郎の攻撃を避けたり手持ちの木刀で受け流したりの繰り返し
何処か楽しそうに柔らかい表情をする彼

つられて私も笑みが溢れる
他の隊士が見ている中、存在すらも忘れて無我夢中で対峙しあった










どの位の時が経ったか私と無一郎の間に人影ができる


炭治郎「止まってください!!!!」

怒りの“音”

ポタポタと皮膚を伝い床に落ちる汗

炭治郎「2人共やり過ぎです!!!声を掛けても聞こえてないみたいだし!もう1時間は経ちますよ!!」

「え」

耳の良い私が呼び掛けに気づかなかった事なんてあっただろうか
否、初めてだ

時透「今度は呼吸有りでやろう」

「あ、良いねそれ」

そう言って、無一郎はかなり引いてしまっている隊士達を一睨みし稽古に戻るよう促した。

私は汗を拭い床に腰を掛ける。

先程怒っていた炭治郎様は何処からか水を持ってきて渡してくれた

炭治郎様は私に水を渡すと早々に稽古へ戻って行った。

時透「あ、A」

名前を呼ばれ振り返るとそこには近距離の無一郎
視界いっぱいに彼の顔、自分の頬に彼の髪が当たる

驚いて飛び抜く間も無く
また少しだけ距離は縮まった

視界は無一郎の顔では無く、無一郎の長い睫毛
近すぎてぼやける程



そして何より、自分の口への熱

思考が止まっている間に無一郎が離れていく


時透「はは、アホ面」

と笑う彼の頬は少し赤く
私に伝染するにはそう時間は掛からなかった

「え、あ、」

やっと声が出るも言葉にならない
徐々に頭が追い付いてくる

時透「返事は要らないとは言ったけど何もしないとは言ってないからね」

悪戯に笑い続けている


自分の気持ちをぶちまけてしまおうかと欲に塗れてしまおうかと
鬼殺も忘れて普通の女の子として彼に甘えてしまおうかと

ぐるぐると思考が駆け巡る

時透「A?」

首を傾げて私の顔を覗き込んでくる

「ばーか」

私だけこんな気持ちになるのは生け簀かない。

今度は私から彼の口へと自身の口を近づけた

時透「え」

触れるだけの接吻

返事は要らない、返事を今はするつもりが無い

そう決めていたのに人は欲まみれだ
自分の横にいて欲しい私の気持ちを分かって欲しい、知っていて欲しい。なんて

それが彼の足枷になってしまうかもしれないのに

「私の答え、全てが終わったらって言ったのに我慢できなかった。ごめんね無一郎、私も貴方が好き」




その途端今度は視界が真っ暗になった

25話:告白の返事【貴女】→←24話:柱稽古、柱は柱同士で【貴女】



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三月の専属ストーカーなつめみく - むいちろー生存endか原作通りにいくのか楽しみです! (10月22日 15時) (レス) @page16 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - むちゃくちゃ面白いです!マジで神作品・:*+.\(( °ω° ))/更新頑張ってください! (2023年5月5日 23時) (レス) @page14 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@yu | 作成日時:2023年1月7日 16時

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