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「善逸兄さん?どうしたの」
ニコニコしながら敷居を跨ぎ玄関にその風呂敷を置く
善逸「爺ちゃんの所行ってきたんだろ!!さっき爺ちゃんから文とA達に渡し忘れたって桃が届いたんだ!」
風呂敷からは幾つもの桃
善逸兄さんからは幸せの“音”
「久々に稽古つけて貰ったの楽しかった」
随分と遅くなったが柱昇格のお祝いに誠意一杯甘やかして貰った
善逸「昇格のお祝いなんだよね?!!何でそんな時まで稽古してんのさ!!!」
「五月蝿いよ」
目をこれでもかと見開く善逸兄さんは私の言葉に静まり下を向いた
「?」
いつもとは違う兄さんに違和感を感じ声を掛けようとすると
善逸「ねぇA、死んでからじゃ遅いんだ」
下を向いたままボソボソと話す
生憎耳が良い為聞き取れるが言っている意味は分からなかった
善逸「嫌だよ?!!本当に嫌だけどさ!!!Aの好きな人…」
急に顔を勢い良く上げて凄い剣幕で叫ばれる
「無一郎…?」
善逸「そう!それ!その人!柱のね!!」
息巻く兄さんに困惑が隠せない
どうして師範の話から無一郎の話になってしまうのか
善逸「可愛い可愛い妹が誰かとなんて考えたく無いけどさ!柱のAは強いけど上弦や鬼舞辻だって強いんだ、いつ命を落としちゃうかなんて分かんないだろ…。妹だからこそ、Aだからこそ少しでも幸せになってほしいんだよ…」
きっと、宇髄様との会話を今の今まで気にしていたんだろう
師範にも良い殿方は居ないのかと聞かれたぐらいだ。私まだ14歳なのだが…
「善逸兄さん…有難う、それとごめんね」
善逸兄さんからは心配と不安の”音“が荒くしていた。
「んー…そうだなあ、無一郎と約束したの。確かにいつどこでなんて分からない、怖いよ…でも私達はその約束があるから死ねないし奮い立たされる」
納得はしていなかったが善逸兄さんがそれ以上この件について何か言ってくる事はなかった
折角だからと屋敷へ上げ茶菓子を出す
「そうだ、善逸兄さんは獪岳兄さんと連絡取れてたりしないよね?」
善逸「はああ??!!してないよ!してる訳無いじゃんか?!」
本日二度目の驚いた表情
縁側に座りながら日に当たる
私は私も師範も一定の時期から文が途絶えている事を善逸兄さんに伝えた
善逸「…爺ちゃんもAも取れないんじゃあ俺が取れる訳無いだろ…」
何処か寂しそうな”音“を立てる
「仲良くして欲しいんだけどな」
柱稽古で会えると信じて私はお茶を啜った
24話:柱稽古、柱は柱同士で【貴女】→←23話:師範との時間【貴女】
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三月の専属ストーカーなつめみく - むいちろー生存endか原作通りにいくのか楽しみです! (10月22日 15時) (レス) @page16 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - むちゃくちゃ面白いです!マジで神作品・:*+.\(( °ω° ))/更新頑張ってください! (2023年5月5日 23時) (レス) @page14 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@yu | 作成日時:2023年1月7日 16時