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「そこの奥のドアが開かなかったんだ」

風磨くんは手のひらの鍵から奥のドアに視線を移し、しばらく見つめた後に立ち上がった。
ドアの前で足を止め、鍵穴に鍵をさす。

「ダメだ。錆がひどくて回らない。無理に回したら折れるかも」

風磨くんはソファの方に戻ってきてため息をついた。

「錆を落とす方法か……」

酸性のもので落とすといいって言うのは聞いたことあるけど…錆を落とせるような道具が、ここにはあるのだろうか。

「確か重曹とか、あとは酢とかレモンとか。酸性のもので落とせるんじゃないかな」

健人くんの言葉に頷きながら、風磨くんは手のひらの鍵を見つめて「酸性のものか重曹か…」と呟く。

すると顎に手を当てて考え込んでいたマリウスが突然、あっと声を上げた。

「さっき通ってきたキッチンにあったよね。お酢とか、塩とかの調味料」
「それだ」

風磨くんが立ち上がって部屋を出ていこうとすると、聡の寝ていたソファの足元にいた黒猫がすばやく風磨くんのほうへ走っていった。

「お前もくるか?」
風磨くんの言葉に返事をするように、黒猫は短く鳴き声をあげる。

「ちょっと行ってくる」
「気を付けて」

ひらひらと手を振って、風磨くんは黒猫と一緒に部屋を出て行った。

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みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時

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