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41.奇妙な肖像 ページ41

Shori Side

「何、これ」

部屋の中には、額縁に飾られた5枚の薔薇の絵画。赤、青、緑、紫、オレンジ。俺らの持っている薔薇と同じ色だ。
どこか暗いトーンで、刺々しい荊に囲まれたその絵から受ける印象は、はっきり言って良いものでは無い。いっそ禍々しささえ感じる。

「これ…俺たちの薔薇?」

健人くんの声は不安そうだった。

薔薇と自分は一心同体で、でもその薔薇が棘だらけの荊に囲まれている。一体何を意味した絵画なんだろう。俺らがこの世界へ来たことと、何か関係はあるのだろうか。


「聡ちゃん大丈夫?!」

マリウスの慌てたような声に振り向く。壁に手をついた聡は、かなり辛そうな表情を浮かべていた。太腿を押さえた指先を伝った血がポタリと床に落ちる。

「松島。乗って」

風磨くんが聡に背中を向けてしゃがみ込むと、聡は倒れ込むようにその背中に乗った。

[ぼくについてきて。彼を休ませよう]

黒猫が俺を見て鳴き声をあげた。

「ついてきてって、この子が言ってる」

風磨くんは小さく頷き、黒猫の後に続いて部屋を出た。マリウスもそれに続いて部屋を出ていく。

足元に落ちた緑色の花びらには、赤い痕が残っていた。

「勝利、行くぞ」

健人くんに肩を叩かれ、俺はもう一度5つの薔薇の絵画を見てから、部屋を後にした。

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みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時

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