37. 猫の手を借りて ページ37
ドアを開けると、長い廊下。その先には、少しひらけた場所がある。
足を引きずりながら壁沿いを歩く聡に肩を貸す。聡は「ありがと」と少しだけ笑顔を見せた。
すると黒い物体が窓枠から飛び出してきた。驚いて立ち止まれば、数メートル先には真っ黒い猫が佇んでいる。
「え…?猫?」
「猫だ」
黒猫はみゃあと短く鳴いて、こちらへ歩み寄ってくる。
「ねぇ聡ちゃん、この猫さっき中庭にいたコかな」
マリウスの発言で思い出す。そういえばまだ、この不思議な世界に飛び込む前。中庭を散歩していた時に現れた黒猫がいたな。
聡もその事を思い出したようで「もしかして、あの時の猫?」と首を傾げている。
黒猫は風磨くんの横を通り過ぎ、マリウスと健人くんの横を通り過ぎて、俺と聡の前にまで歩いてきた。聡と顔を見合わせる。俺はそっと黒猫の前にしゃがんで話しかけてみた。
「さっき、中庭で会ったかな?」
[なんのこと?]
ハッキリと聞こえた声に、驚きを隠せず固まってしまった。黒猫は、やれやれと言いたげな態度で毛繕いをし始める。
[ぼくは悪者じゃない。君たちの味方だよ]
「味方…?」
[ひみつのせかいに迷い込んじゃったんだろ?だから、ぼくが君たちがここから出られるように手伝ってあげるよ]
「勝利?どうしたの?マジで喋ってるの?」
顔を上げると、健人くんが心配そうに俺の顔を覗き込んでいた。みんなには黒猫の声が聞こえていないのだろうか。
「俺らの味方なんだって、この猫」
「そうなの?」
驚いたように声をあげた聡を振り向いて頷く。もう一度黒猫に視線を戻すと、彼はまた口を開いた。
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みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時