3 ページ3
Kento side
「これほんとすごいよな。どうなってんだろ」
後ろで風磨が声を上げた。花瓶には不思議なバラがささっている。近寄って見ると、赤、青、オレンジ、緑、紫、とカラフルに花びらが色づいている。
「それ、レインボーローズって言うんですよ」
近くにいたスタッフさんが教えてくれた。
「鉢植えで栽培するんですか?」
「いえ。切花の白いバラに着色料を溶かした水を吸わせて、着色するんです」
「あ、結構原始的なんですね」
風磨とスタッフさんの会話を聞きながら、俺はもう一度、じっくりとバラを観察する。
すると、棚の足元に、キラリと光る物が落ちているのに気づいた。拾い上げると、高そうな銀色のライターだった。
誰かの落し物かな…
「すみません。機材直りましたので、そろそろスタンバイお願いします」
別のスタッフさんに声をかけられ、撮影場所に戻ろうとすると、ふと窓の外に3人の姿が見えた。
「呼び戻すか」
同じく3人に気づいた風磨が窓を開けた。
「おーい」
「あ、風磨くん健人くーん!」
気づいたマリウスが、嬉しそうに手を振る。
「もう撮影出来そうだから戻ってこいって」
「はーい、ありがとー!」
窓を閉めて撮影場所に戻る。スタッフに渡しそびれて手に持ったままだったライターを、ポケットにしまった。
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時