18. 嘘つきには罰を ページ18
開けた先には少し小さい4つのドアと、そのドアの上には4つの絵画がかけられている。
「え…やめよう。めっちゃドアある」
「いやでも戻れないじゃん」
結局5人で固まって部屋の中に入る。
「まただよ。また絵だよ」
風磨くんが頭を抱えた。 見たところ、どうやら絵画とドアは対応しているようだ。
「これさ、どれか1つだけ正解のドアで、他の3つは何かしらのダメージに繋がる気がするんだけど」
「よくゲームであるよね、こういうの」
ドアを見つめながら言った健人くんに、聡も頷きながら言った。
「あのー…どのドアに入ればいいんですか?」
4つの絵の方に近寄りつつ、俺は尋ねてみた。すると一番左端にいた、凛々しい立ち姿の兵士が答える。
『花屋は知らない。彼女は嘘をついてる』
その言葉に、兵士の隣にいた花屋の少女は、怒ったように頬を膨らませた。
『嘘なんてついてない。正直に言うわ。私は知ってる』
「それで、あなたは?」
花屋の少女の隣、赤いドレスを着た女の人に尋ねると、軽く睨まれる。
『私は知らないわ』
『この女は知らないよ。他の人が知ってるさ』
赤いドレスの女の人を庇うかのように、右端にいる農夫はそっぽを向いたまま答えた。
俺らは一旦絵の前から離れ、声を潜めて話し合う。
「これさ、もし間違った人に聞いちゃったら…」
ちらりと後ろの絵を窺う。
銃を持った兵士に、鍬をステッキのようにして立つ農夫。赤いドレスの女の人の傍らには銀の花瓶のようなものがあり、花屋の少女の傍らには花切りバサミ。
「…生きて帰れない気がする」
「どうしよう…だってわかんないよ?みんな嘘ついてるみたいに思えてくる」
マリウスが困ったように腕を組んで考え込む。
すると風磨くんが絵の方を振り向いて言った。
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みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時