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扉の先は小さな部屋で、壁にも次の扉以外には特に何もない。けれど今までの経験からして、何かが起こるのではないかと勘繰ってしまう。
しかし部屋の中を少し歩き回ってみても、何も起こらなかった。
「少し休むか」
健人くんの言葉に、みんな頷いて床に座り込んだ。俺はポケットに突っ込んでいた薔薇を取り出す。
まだそこまで大きな怪我も負っていないし、薔薇もまだまだ余裕そうだ。
「どのくらい経ったんだろ…」
「もう半日くらいたったような気がするけど…実際はせいぜい1、2時間くらいなんだろうな」
健人くんが首をゆっくり回して、息をついて言った。
「俺さ…絵が動いたり喋ったりすることに、何の違和感も感じなくなってきたんだけど」
「慣れって怖いね」
聡の言葉に頷きながら、薔薇をポケットにしまった。風磨くんはあぐらをかいて次の扉をじっと見つめている。
「進むしかないって事だよね。戻ってもさ、変なのしかいないし…」
聡が言った瞬間に、入ってきた扉の向こうからドンドンと扉を叩く音がした。
「ほらぁ!聡ちゃんが変なのって言うから!」
「あの花嫁にまた怒られるぞお前」
マリウスと風磨くんに言われ、慌てて立ち上がった聡は、入ってきた方の扉に向かって頭を下げる。
「ご…ごめんなさい!花嫁さんたちは変なのじゃないから!許して!」
「何か変なもん出てくる前に行こうか。先に進もう」
「もおー!健人くんまで変なものって言わないで!」
やいのやいの言いながら、俺らは次の扉を開けた。
やいのやいの言いながら、俺らは次の扉を開けた。
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みみ(プロフ) - 遅くなりましたが昔コメントしたらんです。再開嬉しいです。やはりお話は大好きなのでがんばって下さい。 (2020年2月11日 17時) (レス) id: 84d134d2ea (このIDを非表示/違反報告)
Emma(プロフ) - さくらさん» 毎日チェックしてくださり、ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年12月1日 21時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 毎日更新ありがとうございます。楽しみにしています。 (2019年11月30日 19時) (レス) id: 206be9d177 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - yukineさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2019年11月26日 22時) (レス) id: c1561dc037 (このIDを非表示/違反報告)
yukine(プロフ) - めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます! (2019年11月26日 19時) (レス) id: b95332937f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Emma | 作成日時:2016年2月3日 23時