4人で、1つ。2

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手越side


慶ちゃんの優しさは、

いつもいいことだとは限らない。


．


慶ちゃんに頭を撫でられて、抱きしめられていた手は緩められた。


手「……なん、で…っ」


『ありがとう』の意味も、

『ごめんね』の意味も。


言われるようなおぼえがないから、俺にはわからないのに。


慶ちゃんはいつでも、『手越は何も悪くないんだよ』って俺の質問には答えずににこにこ笑うだけなんだ。




手「、っ……喋ってる途中で寝ちゃうくらい辛かったんなら、…尚更言ってほしかったよ……慶ちゃん…」


慶ちゃんは、俺の肩に頭を乗せて眠ってしまった。はぁはぁという苦しそうな息づかいも聞こえてくる。


手「俺、お礼言われるようなことしてないし……っ…」


眠っている慶ちゃんを、最年長のリーダーを、せめて今だけは甘やかそうと思って、抱きつきながら背中をさする。


手「慶ちゃんも、俺に謝らなきゃいけないようなこと、してない、よ…」


どうして、こんなに具合の悪そうな慶ちゃんに無理をさせてしまったのだろう。

どうして、言う必要のない『ごめんね』を言わせてしまったのだろう。

……どうして、…？



沢山の『どうして』と後悔が頭を巡って、涙が出そうになった。


けど、歯を食いしばる。


慶ちゃんは、泣かなかった。

慶ちゃんは、笑ってた。


俺が泣いてどうする。

慶ちゃんが笑っていたのに、俺が笑えないなんて。そんなの最低だ。



もう一度慶ちゃんを強く抱きしめると、高い体温が伝わってきた。


手「けーちゃん…、」


思わず名前を呼んでから、起こしたらかわいそうだな、と黙り込む。


…さっきまで、沢山喋っちゃってごめんね、慶ちゃん。心の中で、謝る。


俺しか起きている人がいない楽屋は、ずっと続いていた静けさから、言葉を飲み込んでさらに深い静けさになった。


手「……まっすー…はやく来ないかなぁ」


あとシゲも、と呟いた後で慌てて口をつぐむ。慶ちゃんが起きちゃう。俺ってやっぱり黙ってられないんだな。小さく笑うと、静けさに染み込んでいくように笑い声が響いた。


．


このシーン、お話的にはなくても大丈夫なんですけどただただコヤテゴが書きたくて書きました、お話ごと長くなったらごめんなさい(＞_＜)

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