cherryblossom 第３章 (ページ31)

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幸せってページ31

ドンヘにスッポリ包まれている。

オープン前のキャンプ場。
ここに入ることが出来るのは私たちとヒョクとシウォンとその彼女だけ。

堂々と外でドンヘに抱きしめられる機会なんて
めったに無い。

この星空に朝の光に包まれたら、
ソウルに帰ることになる。

そしたらいつもの日常に戻ることになる。

次はいつこうした時間を過ごせるかわからない。

……この時間、大切にしたい。

私の胸元で交わるドンヘの腕に自分の手を絡ませる私。

このまま朝にならなければいいのに……。

そんなことを考えながらしばらく星空を見ていると、

「何考えているの？」

ドンヘが口を開いた。

「このまま時間が止まらないかなって。
ずっと朝にならないで、このままいれたらいいなぁって思っていたの」

「俺も同じこと考えていた」

そう言いながら、私の首筋に顔を寄せるドンヘ。
髪が肌に触れてくすぐったい。

「こうしてAと同じ時間を過ごせて俺、幸せ」

「私も」

私がそういうと、私から離れるドンヘ。
そのあと私の首筋に、ヒヤッとしたものが当たった。

なに？

思わずそれに手を伸ばす私。
ドンヘと向き合うような体制にされると、

「お揃い」

ドンヘが首元で輝く円環型のネックレスを見せてくれた。

「……ありがとう」

嬉しくて、うまく言葉が出ない。

「このネックレスには“永遠”って意味が込められているんだって」

「“永遠”……」

「ずっと、一緒にいようね」

「うん」

私はドンヘの胸の中で、返事をした。