cherryblossom 第３章 (ページ4)

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見られた？ページ4

「仕事頑張ってね」

「ドンヘも」

会社の裏口前。
タクシー出勤で、出社時間としては早く着いたから、
人の姿はほとんどない。

「また、連絡する」

ドンヘがそう言うと、走り出したタクシー。
それが見えなくなるまで見送っていると、

「A？」

「きゃっ！」

背後から急に誰かに呼ばれて、変な声を出してしまう。

み、見られた？

「なにそんな変な声出しているの？」

振り返ると、そう言いながらケラケラ笑う、ミウさんの姿。

何も言われないってことは、見られていないってことかな？

普段と変わりない様子にホッとする。

「ちょうどよかった。Aにお願いがあるの」

裏口のドアを押さえながら、縋るような視線を私に向ける。

「明日の夜、私に付きあって欲しいの」

「明日……」

確か、ドンヘは明日遅くまで雑誌の取材が入っているって言っていた。

「特に予定ないから、いいですよ」

私がそう答えると、

「よかった。外で食事するから、
そう言う服装、してきてね」

ホッとしたようにそう言うと、
タイミングよくなった携帯で、誰かと話しはじめた。