cherryblossom 第３章 (ページ30)

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感じる背中ページ30

「っ――」

ドンヘが指さす方向に顔を上げた瞬間、
言葉を失った。

暗い空に、
キラキラと瞬く星が一面に散りばめられている。

……こんな綺麗な星空、初めて見た。

ソウルや東京では見たことがない。
明かりが少なくて、
空気が澄んでいるところだから見ることができるんだ。

「綺麗だね」

静まり返った中、ドンヘの低い声に首を縦に振る私。
ドンヘはそんな私の手を握る。

思わずドンヘをみると、瞳が夜空を彩る星よりキラキラ輝いていて、
胸の奥が大きく高鳴った。

「……手、冷たい」

さらにギュッと手を握られる。

「寒い？ロッジに戻る？」

ドンヘが心配そうに私を見つめてくる。
確かに夏なのに少し冷えるけど、

「ドンヘが大丈夫なら、もう少しここにいたい」

ロッジに帰っても２人で夜を過ごすのに、
まだここにいたかった。

「わかった。じゃ、こうしよう」

そう言いながら繋いでいた手を離して私の背後へ回ると、
そのまま私を後ろから抱きしめてきた。

背中に感じるドンヘの温もりと、胸の鼓動。

「こうすれば少しは暖かいでしょ？」

今度は声の振動を背中で感じた。