cherryblossom 第３章 (ページ27)

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柔らかい微笑みページ27

「A。散歩に出よう」

「うん」

そのまま立ち上がって外に出ようとすると、

「そのままじゃ寒いと思うよ」

そう言って私のパーカーを持って来てくれた。

「ありがとう」

「じゃ、行こうか」

私が着終えると、私の右手にドンヘの左手が絡んだ。

ポツポツと電灯がともる中を歩く私たち。
昼間と違い、少し風が出てきていた。

「ここもソナさんのキャンプ場の中なの？」

「うん」

風に髪をなびかせ私の方を見る。

大抵外では変装しているドンヘ。
ドンヘを好きになってからこうした姿を見るのは初めてで、
自分の胸の鼓動が音をたてたのがわかった。

「どうしたの？」

そう言われてじっと見つめている自分に気付き、
慌てて視線を逸らす。

ドンヘに見とれていたなんて言えない。

静まりかえったキャンプ場内。
聞こえるのは私たちの声と、歩く音。
薄暗いから景色を楽しむ散歩ではない。

「昼間にも歩いてみたいな」

木々に囲まれた景色を、
楽しんだ散歩ができそうだった。

「じゃ、次にここに来たときは昼に歩こう」

そう言って、柔らかい微笑を浮かべた。