cherryblossom 第３章 (ページ19)

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車中ページ19

キャンプ場へは何台かの車に乗合で行くことになったようで、
私はドンヘとヒョクと、シウォンの年齢の近い４人で一緒だった。

普段は平日でも混雑する道路もまだ空いていて、
車は順調にキャンプ場に向かっていた。

ビルばかり見えていた景色もだんだんと変わって行って、
遠くに山々が見えてくる。

「私、韓国に来て、ソウルから出るの初めてかも」

「ほんとに？窓開けるね。閉まったままじゃ景色見づらいでしょ」

スモークが貼られた窓。
運転しているヒョクが私側の窓を開けてくれた瞬間、
心地よい風が頬を掠める。

「ありがとう」

「いえいえ、どういたしまして」

朝日が車中を照らす中、ニコッとヒョクが笑いながらそう言うから、
私もつられて頬が緩む。

「やっぱり、おかしくない？」

突然聞こえたドンヘの不機嫌そうな声。

「なにが？」

驚いたようにヒョクが聞き返す。

「Aが助手席で、俺の隣がシウォンなのが納得いかない」

「な！ドンヘ！俺が隣で不満なのか！」

オーバーリアクションでそう言うシウォン。

「Aが車酔いしたから仕方ないじゃないか」

「じゃぁ、俺が運転する」

「俺の車だからダメ」

ヒョクにバッサリと言い切られるドンヘ。

そんな言い争いをしているうちに、
車はキャンプ場へと着いた。