cherryblossom 第３章 (ページ16)

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ミウさんの謝罪ページ16

「A、昨日はごめん！」

翌日になると、出社した私を見つけるなり
駆け寄ってきて謝るミウさん。

「事情は聞いた。向こうの幹事も悪いことしたから
Aに謝っといてって言っていた。
ホントごめん」

綺麗な顔を歪めて、必死の形相で謝ってくる。

「もう、いいです。怒っていませんから。
私こそ、勝手に帰ってすみませんでした」

私も頭を下げて謝る。

「ううん、それはいいよ。とりあえずAが何事もなければ」

私が怒っていないとわかったからか、ホッとした表情で私を見つめてくるミウさん。

「でも、もうああいう場には参加しませんので」

ドンヘと約束したし、何より自分自身が後ろめたい気持ちを抱くのは
もう二度としたくなくって、ハッキリ告げる。

「わかった。A、彼氏いるものね。
でも、昨日はAの彼氏が助けてくれてよかった。
……迎えに来てくれる予定だったの？それとも、たまたま？」

そっか。
助けてくれたのは私の彼氏だってことになっていたっけ……。

「実は……、彼氏じゃないです」

「……えっ？」

キョトンとした顔を見せるミウさん。

「たまたま通りかかったスンヒョン室長があの場から離れるために
彼氏のふりをしてくれたんです」

「そうだったんだ」

そう言うと、口に手を当てて何か考え込んでしまった。

「……どうかしました？」

「えっ？あ……、ううん。なんでもない」

「そろそろ、席に行きましょうか」

ミウさんの様子が気になりながらも、
私は自分の席へと向かった。