cherryblossom 第３章 (ページ12)

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上司の追及（加筆）ページ12

路肩に停められた一台の車。
その助手席に私はエスコートされた。

何一つ飾られていない車内。
パッと見だけでも清掃が行き届いているのがわかる。
おそらくスンヒョン室長の車。

「……すみませんでした。助かりました」

どうしてあそこにスンヒョン室長がいたのか。
どうしてスンヒョン室長がさっきの行動をとったのか。

わからないけど、私にとっては助かったし、
彼氏のふりをさせて迷惑をかけたと思った私は
スンヒョン室長が運転席に乗り込むと謝った。

「……」

何も返事はない。

「……あの、ありがとうございました。
あの人もういないと思うので、帰ります。
お礼は後日させてください」

そう言って助手席のドアを開けようとした時、

「なんであんな状況になった？」

スンヒョン室長が口を開いた。
運転席へと視線を移すと、
前をまっすぐ見たまま真剣な表情をしている。

正直話すのは嫌だけど、
私を助けてくれたことには変わりはないし、話さない雰囲気でない。

素直に誘われて飲みに行って、
帰ろうとしたらさっきの状態になったことを話す。

「眠気を冷まそうと車を停めてコンビニに行こうとしたら、
その手前で男と女が言い争っている声が聞こえて……」

視線を私へと移すスンヒョン室長。

「“大声でバカだな”と思いながら声のする方を見たら、Aがいた」