cherryblossom 第３章 (ページ2)

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寝たフリページ2

重ねた唇を離したとき、

「……俺も」

そんな声が聞こえて、
自然と閉じていた目を開けると、
ニヤケたドンヘの顔があった。

「ドンヘ！起きてたの？」

慌ててドンヘとの距離を取ろうとするけれど、
私の体はガッチリ固定されていて、
数ｃｍしか離れなかった。

「Aのキスで起きた」

嘘！

私は“好き”って言ってから、
キスをした。

キスで起きたのであれば、
“俺も”はおかしい。

って、そんなことはどうでもよくって。

「寝たフリなんて、ズルイ！」

「だって、どうやって起こしてくれるのか、
気になったから」

寝たフリを認めた。

「それでも、寝たフリはズルイ！」

どうあがいても、
ドンヘの腕からは逃れられなくて、
私はその胸に顔を埋めた。

「なんで怒るの？」

怒っているんじゃなくて、
恥ずかしいの。

「ねぇ、A」

呼んだ瞬間、
私に回されていた腕と足の力が緩んで、
ここぞとばかりに、
私はベッドから抜け出した。