思い出話。 ページ39
「俺が雷門のユニフォームを初めて着たのはこのグラウンドだ」
「帝国との練習試合か…わかったぞ！お前の言うもう1つの大事な出会い」
修也の隣に並んだ円堂を、秋と見詰めて。
そういえば、鬼道さんは帝国学園から転校してきたんだ。
もう一緒に居るのが当たり前で、雷門イレブンであることにしっくりきて、すっかり忘れてしまった。
あの時の鬼道さんちょっと怖かったな…。
「そっか！鬼道さんは元帝国学園！」
「朝から人の噂話か」
「鬼道！」
「おはよう、鬼道くん」
え？地獄耳ですか？土手を降りてくる鬼道さんを見ていれば、一瞬目が合った。
「お前、失礼なこと考えてないか」
一生懸命首を横に振って、秋の背中に隠れる。
「虎丸に俺達の出会いがここだったんだって話してたんだよ」
「そうだったな」
思い出に浸る鬼道さんをちらり、と見て。
あの時の鬼道さんの怖さを思い出してはやっぱり、背筋に汗が。
「何だか不思議」
秋の言葉に、鬼道さんと虎丸くんが秋を見た。
「あの時敵として出会った鬼道くんが、今はこうして雷門の制服を着てる」
「世宇子と戦う為だったのにな。いつの間にか、お前達と居ることが当たり前のようになっていた」
左肩の稲妻のシンボルを、見詰めた鬼道さん。
瞳が見えなくても、優しさが滲むのがわかるようになってきた。
「俺はこの雷門でお前と一緒に卒業出来るなんて夢にも思わなかったよ。嬉しいぜ」
「ふっ…俺もだ…」
歩き出した鬼道さんへ、続くように円堂と修也が並んだ。
そんな後ろ姿を見つめていれば、虎丸くんがいいなぁと…言葉を零した。
「親友って、なんかかっこいいですよね」
親友かあ、確かにいいな。
なんて、思って3人の後を追いかけるように踏み出せば、目が合った虎丸くんが秋と私を見た。
「木野さんもAさんも！1年で有名なんですよ？」
「え？それは…？」
虎丸くんと秋と並んで歩いて、話を聞いた。
「ほら、文化祭！あと、Aさんは豪炎寺さんとお付き合いの…」
「わっっ聞きたくない！」
走り出して、教室へと急ぐ。
「あらら」
「ふふっ、Aは今年の文化祭も去年も凄く恥ずかしかったから」
「そうなんですか？」
文化祭
体育祭
イベント毎、全て全力を注いできた雷門。
勿論、私も参加したけど。
ああ、でも。
振り向いた時に、沢山の思い出がある事がこんなに幸せなんて知らなかった。
「転ぶなよ〜」
円堂の声に、振り向いて、べー！と舌を出した。
転ばないし！
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守羽(プロフ) - 豪炎寺さとみさん» コメントありがとうございます！もう少しだけお付き合い頂けたら嬉しいです…！ (2022年10月10日 16時) (
レス) @page44 id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺さとみ - 終わっちゃうんですか (2022年10月10日 13時) (レス) id: 507e2dc598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年10月2日 22時
