始まりの出会い。 ページ38
「きゃ〜！どうしよう！お母さん！Aちゃんが可愛い…！」
「も〜！！お姉ちゃんうるさぁぁあい！私もう行くから！！」
時計を確認して、お姉ちゃんを振りほどいて逃げるように鞄を持って玄関へ走った。
受験の間、すっかり伸びた髪の毛を朝からいじられて。
猫耳みたいなハーフアップにされて、もううんざり。
「お母さん達も後で行くからね〜」
「はーい！」
玄関をあけて、周りを見て暫く待っていれば
ちょっと駆け足で修也が。
「おはよう！」
「おはよ」
まじまじと髪型を見られては、恥ずかしくなってフードを被ろうとすれば止めるようにその手を取って、繋いで歩き出した。
いつだって、素直に褒めてくれないのはわかってるので期待しない。
「その、にあってる」
「んえ？！」
不意打ちに、びっくりして修也をみれば、ぷいっと顔をそむけてしまった。
ご機嫌に、手を振って歩いて雷門までの道を歩く。
今日で最後だ。
だって、今日は
卒業式だ。
「あ、秋達だ」
「おはよう」
秋と円堂、虎丸くんの姿を見付けては手を離してかけよる。
修也が声をかければ秋と円堂が振り向いて、挨拶を返してくれた。
「豪炎寺」
「A」
おはよ、と挨拶していれば虎丸くんが元気な挨拶と一緒にちょっといい話を聞いたと嬉しそうに駆け寄って来た。
「いい話？」
「キャプテンと豪炎寺さんの出会い」
「ああ、そのことか」
「え？なにそれ、私聞いたことない！」
修也と円堂が見詰めあって、何かを確認している横で虎丸くんがびっくりしたように。
秋も、そういえば居なかった…と今更思い出したよう。
「Aさんなら当然知ってるかと思ってました」
「言われてみれば、円堂と修也が知り合いなの気にしたこと無かった…ね、聞かせて？どんな出会いだったのか」
虎丸くんに詰めよれば、それは嬉しそうに教えてくれた。
河川敷での2人の初めての出会い。
それが、雷門サッカー部の大切な出会い。
「始まりの7人の伝説も凄いですけど、やっぱり豪炎寺さん凄いです！」
「ねっ！！すっごい修也かっこいい！いいなぁ、私も見たかったな…」
目をきらきらとさせる虎丸と一緒にはしゃいで歩く。
1列になって、修也と虎丸くんの間で喜んでいれば、そんな私達をみて修也が少し自慢げに話し始めた。
「虎丸、雷門の始まりというならもう1つ大事な出会いがあるぞ」
「え？」
そう言って、グランドで立ち止まった修也の背中を不思議そうに見詰めた。
もう1つの出会い？
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守羽(プロフ) - 豪炎寺さとみさん» コメントありがとうございます！もう少しだけお付き合い頂けたら嬉しいです…！ (2022年10月10日 16時) (
レス) @page44 id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺さとみ - 終わっちゃうんですか (2022年10月10日 13時) (レス) id: 507e2dc598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年10月2日 22時
